【GAS】5Sや安全パトロールに活用できるスマホ報告システムを作ってみた

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

多くの現場では、5S活動や安全パトロールが日々行われています。通常は「紙のチェックシートに記入して報告」が多いと思いますが、それをスマホで実現できるシステムを作ってみました。

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システムの機能概要:発見から承認まで、スマホ一つで完結

このシステムは、現場での問題発見から改善報告、そして最終承認までの一連のワークフローを、Googleフォーム、スプレッドシート、そしてGAS(Google Apps Script)を連携させることで自動化します。

全体の流れは非常にシンプルです。

  1. 【チェック担当者】 問題を発見 → フォームで報告 現場で危険箇所や改善点を見つけたら、スマホで写真を撮り、専用のGoogleフォームから状況を報告します。報告者名や場所、写真などをアップロードするだけなので、作業時間は1分もかかりません。
  2. 【システム】 自動で記録・通知 報告が送信されると、GASが起動。報告内容を自動でスプレッドシートに記録し、ユニークな「管理ID」を発行します。同時に、その現場の担当管理職へ、メールとSlackで「問題が報告されました」と即座に通知します。通知には、改善報告を行うための専用フォームURL(管理IDが自動入力済み)も記載されています。
  3. 【担当管理職】 改善 → フォームで報告 通知を受け取った管理職は、現場の問題を改善します。改善が完了したら、通知内のリンクから改善報告フォームを開き、改善内容と改善後の写真をアップロードします。
  4. 【システム】 記録を更新 → 承認依頼 改善報告が送信されると、再びGASが起動。今度は、スプレッドシートに記録された元の問題報告と同じ行に、改善内容を追記します。同時に、最終承認者(社長や工場長など)へ「改善が完了しました。承認をお願いします」という通知メールを送信します。
  5. 【最終承認者】 確認してクローズ 承認者は、メール内のリンクからスプレッドシートを開き、問題の内容と改善内容を一覧で確認。問題がなければ、ステータスを「完了」に変更して、一連のプロセスはクローズとなります。

このように、報告から改善、承認までの全プロセスが、関係者への自動通知を挟みながらシームレスに連携します。

コードの簡単な説明:GASが繋ぐ自動化の裏側

このシステムの「頭脳」として働いているのが、Google Apps Script (GAS) です。これを使えば、Googleの各種サービスを自由自在に連携させることができます。

開発には、Codexを使ってローカル環境でコードを編集し、コマンド一つでGoogleのサーバーにアップロードできるclaspというツールを使用しました。これにより、Gitでのバージョン管理も容易になっています。

コードの全体像は、役割ごとに4つのファイルに分割して管理しています。

  • main.gs: フォームが送信されたことをきっかけに起動するメインの処理が書かれています。「問題報告」と「改善報告」の2つのトリガーを受け取り、それぞれの処理を振り分けます。
  • spreadsheetUtils.gs: スプレッドシートの読み書きに特化した関数をまとめたファイルです。管理IDで特定の行を検索したり、ステータスを更新したりといった、データベース的な操作を担います。
  • notificationUtils.gs: メールやSlackの通知を作成し、送信する機能がまとめられています。誰に、どのような内容のメッセージを送るかを組み立てる部分です。
  • config.gs: スプレッドシートのIDやフォームのID、通知先のメールアドレスなど、環境によって変わる設定値をまとめて管理するファイルです。このファイルを書き換えるだけで、誰でも自分の環境に合わせてシステムを導入できるように設計しました。

今回作成したコードは、誰でも自由に利用・改変できるよう、以下のGitHubリポジトリで全て公開しています。導入手順なども記載していますので、ぜひご覧ください。

従来の現場チェックがどう変わるか?

このシステムを導入することで、従来のアナログな現場チェックが抱えていた課題は劇的に改善されます。

課題 Before(従来の方法) After(システム導入後)
即時性 事務所に戻り、PCで報告書を作成してメールで共有。半日〜1日のタイムラグが発生。 スマホで報告した瞬間に、担当者のメールとSlackに通知が飛ぶ。タイムラグはゼロに。
進捗管理 「あの件どうなった?」と担当者に口頭やメールで確認。管理者はExcelで進捗表を別途作成。 スプレッドシートを見れば、全案件のステータス(対応待ち、承認待ち等)がリアルタイムで一覧可能。
情報管理 報告書はファイルサーバー、写真は個人のスマホ、やり取りはメールと、情報が分散。 問題の写真、改善後の写真、やり取りの履歴など、全ての情報がスプレッドシートの1行に集約。
報告の手間 写真をPCに取り込み、WordやExcelに貼り付けて報告書を作成。印刷やファイリングも必要。 スマホのフォームから数項目入力するだけ。報告書作成の手間が完全になくなり、ペーパーレス化も実現。

最も大きな変化は、「報告の心理的ハードルが極限まで下がる」ことです。小さなヒヤリハットや、「報告書にするほどでもないけど気になる点」が気軽に報告されるようになり、現場の安全と品質の向上に直接的に貢献します。

おわりに

今回は、Googleフォームとスプレッドシート、そしてGASを使って「現場チェックシステム」を構築した事例をご紹介しました。特別なサーバーや高価なソフトウェアを契約することなく、普段使っているツールの組み合わせだけで、これだけの業務改善が実現できるというのは、非常に大きな魅力です。

即効性のあるデジタル化をご要望の方がいらっしゃれば、ぜひお問い合わせください!当社がサポートいたします☺️

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士