【速報】 ISO9001改訂草案(DIS)が公開!箇条0~2緊急解説(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

8月27日、ついにISO9001の新しいバージョンの草案(DIS)が、ISOから公開されました。今日は箇条0から2における改定内容の一部を、皆様と共有したいと思います。

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動画でも解説しています(無料・登録不要)

ISO/DIS 9001 ついに公開

こちらが今回公表された、ISO9001 DIS(Draft International Standard)、つまり改訂案です。ですのでこれは最終版ではないという点に注意が必要です。

なお、このドラフトは、ISO公式サイトのウェブストアで購入が可能です。価格は65スイスフランで、収録時点の日本円では約12,000円ですね。もちろん全て英語です。

箇条0から3までなら一部無料公開されていますので、まずはそれを見ていただいてもよいでしょう。なお、購入先のサイトのURLはこちらです。

ISO/DIS 9001 序文 箇条0の変更点

では箇条0~2の変更点について、実務者として参考になる箇所に絞って解説をしましょう。実務であまり関係なさそうなところは、私の独断と偏見で省略していますので注意をしてくださいね。また、箇条0~2は要求事項ではなく、ISO9001の基本的な考えを書いているところですので、そこにご留意ください。

ではまず序文にあたる箇条0の変更点です。箇条0には特許についての注意事項があります。ISO 9001に取り組むにあたって使う“やり方”や“ツール”の中に、誰かの特許が含まれている場合があるので注意しなさい、ということが、2015年版にも書かれていますが、ISOはそれに対して責任を負わないので、自分で確認しなさいという注意喚起が、新しいDISではより強調されています。実務的には、直接関係する企業はほとんどないと思いますが、特殊な装置やソフトウェア・測定方法などを使う場合は、それらが誰かの特許が関わらないか(必要ならライセンスが取れているか)を、これまで以上に確認しておくと安心です。

ISO/DIS 9001 箇条0.1 一般の変更点

つづいて 0.1 一般の変更点です。ここでは2015年版で、「顧客などの要求やニーズや期待を満たすには、修正や継続的改善などをしっかりやっていきなさい」と書いてあったのですが、ここから「修正(correction)」という言葉が抜けました。ただ、修正や是正をしなくてよいという意味になったのではなく、修正と是正と改善はそれぞれ意味が違うので、混同するような表現はやめておこうとなったのだと思います。このあたりを混同している会社は、社内の定義を整理する必要がありそうです。

ISO/DIS 9001 箇条0.3.1 一般の変更点

続いて0.3 プロセスアプローチのなかの、0.3.1 一般における変更です。ここでは、2015年版に、マネジメントシステムを構築するときにはプロセスアプローチをおすすめする、と書いているのですが、この「構築」という言葉の英語の原文がdevelopからestablishに変わりました。日本語としてはたぶん変わらないと思いますが、仕組みをよりしっかり確立することを強調しているのだと思います。

0.3.1の変更点はまだあります。“リスクに基づく考え方”に加えて“機会に基づく考え方(opportunity-based thinking)”が明記されました。2015年版ではPDCAを回す際のリスクベース思考の強調が中心でしたが、DISでは「機会」も同列に扱う姿勢がはっきり示されました。これは結構注目すべき変更で、DISはこれまで以上に「機会」を重視していることが読み取れます。「機会」についての特定や取り組みがすくない会社は、注意が必要かもしれません。

0.3.1には変更点がまだあります。監視・測定をする箇所は、プロセスによっても当然異なるし、同じプロセスの中でもリスクや段階によって異なる場合がある、と明記されるようになりました。プロセスのどの時点で何をどう測る(監視する)のかは、これまで以上に具体的に計画することが期待されているようです。

続きは明日解説します。

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士