【プチDX】スマホで一瞬でできるビフォーアフターシートをGASで作ってみた(改)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

5Sや小集団活動などでよく使う「ビフォーアフターシート」を、スマホだけで素早く作る簡単なシステムを、GAS(Google Apps Script)と各Googleのツールで作成しました。紹介します。

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動画でも解説しています(無料・登録不要)

スマホでどうやってビフォーアフターシートを作るのか?

ビフォーアフターシート作りは、実は地味に手間がかかりますよね。カメラで撮った写真をUSBやSDカードでパソコンに取り込み、ExcelやPowerPointに貼り付けて、トリミングや位置調整、文字入力……。慣れていても1枚作るのに10~15分はかかりますし、慣れない方には結構つらい作業です。そこで、その手間を省く簡単なツールを、Googleフォームなどを使って作ってみました。さっそく画面を見ていきましょう。

まず、これがGoogleフォームで作成したビフォーアフターシートの入力フォームです。

最初に「ビフォー写真」の入力から始めます。「ファイルを追加」をタップするとダイアログが表示されますので、「カメラで撮影」(または「写真を撮る」)を選び、ビフォー用の写真を撮影します。撮影後に「写真を使用」を押すと、アップロードが始まり、ビフォー写真の登録が完了します。

同じ手順で「アフター写真」も登録します。こちらは整頓後の状態がわかる写真を撮影・アップロードしてください。写真の登録が終わったら、実施者名、場所、改善内容、改善日時など、必要なテキスト情報を入力します。

フォームに入力した情報がスプレッドシートに蓄積

次に、先ほどスマホから入力した内容が、連携されたGoogleスプレッドシートに自動で記録されていることを確認します。

シートの一番右の列に「PDF_URL」という列を用意しており、ここに生成されたPDFへのリンクが入ります。リンクをクリックすると、ビフォーアフターシートのPDFが開きます。

スマホで撮った写真がそのまま差し込まれ、トリミングや位置合わせをしなくても、シートが完成しているのがわかります。これまで地味に時間がかかっていた作業が、1分もかからずに終わるイメージです。

この仕組みがどう動いているか?

入力の起点はGoogleフォームです。フォームでは、ビフォー/アフターの写真、実施者名、場所、日時、コメントなどを入力できるようにしてあります。送信すると、フォームに紐づいたGoogleスプレッドシートに自動で記録されます。この「記録された瞬間」に、GAS(Google Apps Script)で設定しておいたトリガーが発動します。スクリプトは以下の処理を自動で行います。

  1. フォームから記録されたデータを取得する。

  2. Googleスライドのテンプレートを複製する。

  3. 複製したスライドに写真とテキストを自動で差し込む。

  4. 完成したスライドをPDF形式で保存する。

  5. 生成されたスライドやPDFのURLをスプレッドシートに書き戻す。

テンプレートのGoogleスライドについても触れておきます。

スライドはパワーポイントのように自由にレイアウトできます。画像やテキストを入れたい場所に、たとえば「{{DATE}}」「{{NAME}}」「{{BEFORE}}」「{{AFTER}}」といった差し込みマーカー(置き換え用のキーワード)を配置しておき、GAS側でも同じマーカー名でデータを対応づけます。これにより、「置きたい場所に、置きたい情報が自動で入る」わけです。テンプレートのデザインは自由に作り込めます。私の例はシンプルですが、もっと見やすくキャッチーなレイアウトにしても構いません。

以上、スマホだけで一瞬で作れるビフォーアフターシートのご紹介でした。すぐに使い始められて、地味に便利なツールだと思います。使い道としては、社内の5Sや改善活動、安全パトロールの改善メモなど、オーソドックスな場面で幅広く活躍します。

なお、この仕組みの肝はGAS(Google Apps Script)ですが、サンプルのスクリプトはGitHubに公開しています。動画の概要欄にリンクを置いておきますので、参考にしてください。

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士