おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO45001:2018 各箇条解説シリーズ。今回は箇条7.1「資源」を解説します。労働安全衛生マネジメントシステムでは、どんな資源が必要で、どうやってこれらを管理していくのでしょうか。
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ISO45001:2018 7.1 労働安全衛生にはどんな資源が必要で、どうやって管理をするの?(1)
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ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)における資源の活用例
前回は、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)資源がどういうものなのかを、ISO45001の附属書Aをもとにざっと見ていただきました。それによると、人的資源、天然(資源)、インフラ、技術、資金が、労働安全衛生マネジメントシステムにおける資源です。
これらの資源を適切に利用することで、労働安全衛生マネジメントシステムを効果的に機能させて、職場の危険から生じるリスクに対処することを求めているわけですが、こうした資源が労働安全衛生にどのように関連するかの具体例をちょっとお示しします。
人的資源では、技能講習を修了した人とか免許を持った有資格者は、作業に関係する必要最低限の知識や技術を身につけていますよね。そういう人たちがいることで、作業が安全に実施できることにつながっていきます。
続いて天然(資源)ですが、例えば水があります。水を働く人に提供することは熱中症予防につながるでしょうし、食品工場などで水を使って清掃をすることは、作業場の清潔維持につながります。
インフラストラクチャの例としては換気装置があります。換気装置を使うことで、有害な化学物質を使う現場でも、健康被害のリスクを低減することができます。
技術はどうでしょうか。例えば作業環境測定技術があります。分析装置などに使われている技術によって、職場の作業環境を正確に判断できます。
最後のお金についてですが、保護具や安全設備を購入すること、そして安全に関する資格取得や技術習得にはお金が必要です。一般的な企業ではこうしたことに予算を割り当てます。
ISO45001では「資源」をどう管理すべきか
ところでISO45001では、「資源」という言葉が出てくる箇条は5つあります。それは、箇条5.1、5.4、6.2.2、7.1、9.3ですが、この多くはトップマネジメントの役割と関連しています。したがって資源の提供は、主にトップマネジメントの責任だと解釈することができるでしょう。
どういう流れで資源を管理すべきなのか、一つの例として流れを負っていきましょう。
まずトップマネジメントは、市場の動向や、法規制の動向、競合他社の動向などを理解し(4.1)、そこから資源の必要性を感じ取ることもできるでしょう。また働く人やその他の利害関係者などのニーズや期待(4.2)からも、資源の必要性を感じることができるかもしれません。
また、マネジメントレビューのインプット(9.3)としても、現場の声などから資源の必要性についての情報が得られます。こうした情報をもとに、トップマネジメントは資源の購入や教育訓練に投資をする判断をして(9.3)、予算を組んで実行をします。
資源は、労働安全衛生目標への取組(6.2.2)のためや、働く人の協議・参加のため(5.4)にも提供されます。
導入された資源は、点検やメンテナンスといった維持管理をされて(7.1)、問題が生じた場合には再びマネジメントレビュー(9.3)を通して対応が行われます。資源に関する管理は、このようにトップマネジメントを中心としたPDCAサイクルで行われるわけですね。
ISO45001:2018 箇条7.1「資源」のまとめ
はい、というわけでISO45001:2018 箇条7.1「資源」を解説しましたけれどもいかがだったでしょうか。
繰り返しになりますけど、労働安全衛生マネジメントシステムがうまく機能するためには、ただやる気だけじゃなくて、具体的な資源の提供が必要です。そして、そうした資源を提供するのは、トップマネジメントの責任でしたよね。トップの皆さんは、現場の声などを聞きながら、具体的なサポートをしていただきたいと思います。