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ISO9001 ブログ

ISO9001:2015 10.1 ISOのいう「改善」とはなにか

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO9001:2015各箇条解説シリーズ、今日から箇条10「改善」です。改善すべきポイントの見つけ方、なにを改善の対象にすべきかということはもちろん、そもそも「改善」とはなにか?という基本的なところもお話しします。

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マネジメントシステム全体における箇条10の位置付け

マネジメントオシステムはPDCAサイクルになっているという話は、この解説でもずっと話してきたことです。そして、PDCAサイクルは、ざっくり言って、経営者レベルでのPDCA(これはこの図で青色枠で示された部分)と、管理者レベルのPDCA(これはこの図のオレンジ色の枠で示された部分)、そして現場レベルのPDCA(これはこの図のピンクの枠で示された部分)の3つの階層別のPDCAがあります。

今日説明をする箇条10は、この3つの階層全てに関連します。それぞれの階層でのPDCAにおけるA・つまり「アクト」の部分です。箇条10では、これまでの箇条4から9までで発覚した不適合や目標の未達に対して、適切に改善を進めることを求めています。ここでいう改善とは、製品・サービスの改善だけではなく、プロセスの改善、品質マネジメントシステム自体の改善も含んでいます。

箇条10と他の箇条とのつながり

別の観点からも箇条10の位置付けを見てみましょう

これまで、箇条4を通じて、品質マネジメントシステムという、ISO9001で定められている管理の仕組みを作りました。この管理の仕組みを円滑にまわしていくために、箇条5では、トップマネジメントが果たすべきことをを定めました。箇条6では、リスクと機会を分析し、その対処法を決めました。品質目標も定め、具体的な行動計画も立てましたね。箇条7は、こうして計画され確立された品質マネジメントシステムをうまく使っていくために、人やモノ、環境、情報などを整えてきました。そうした準備に基づいて、箇条9では、良品を生み出すような製品やサービスの作り込みを行ってきました。箇条9では、このような段階を踏んで作ってきた品質マネジメントシステムが、本当に成果を生んでいるか、うまく機能しているかを評価しました。ここにある各箇条の中で発覚した不適合や目標の未達に対して、改善を行っていくのが箇条10です。

まず箇条10.1では、改善一般に対する全体的な要求をしています。箇条10.2では、要求事項に適合しない製品・サービスが見つかった場合の処置・再発防止の取組について定めています。そして最後の10.3では、パフォーマンスを向上するために繰り返し改善をすることを要求しています。

箇条10.1の規格要求事項

それでは箇条10.1の規格要求事項を解説します。おおざっぱには「改善をしましょうね」といっているだけのシンプルな要求事項です。

「改善を一切やっていない」という会社はほぼないでしょうから、改善をしないと意図的に決めているというケースをのぞけば、実務上はこの箇条10.1に明確に反しているというケースはほとんどないんじゃないかと思います。ただし、細かいところで参考になるところがあるので、見ていきたいと思います。

冒頭に「改善の機会を明確にし」とありますよね。この「改善の機会」がどういうものなのかというと、例のひとつとしては内部監査や外部監査での指摘事項がありますね。内部監査での不適合はもちろんですが、推奨事項を受けて改善に取り組んだり、他の部署・プロセスでの肯定的観察事項を水平展開するなどは、改善の機会になりそうです。また、各プロセスなどで測定しているデータの動向を見る、というのも改善の機会の一つになりそうですよね。どうも最近はこのプロセスで不良が多いとか、この機械でチョコ停が多い、みたいなデータに基づいて、改善すべきポイントを見つける、というようなイメージですね。

そうして見つけた改善の機会に対して必要な取組をしなさい、ということですが、その対象についてはa)からc)まで具体的に挙げられています。

a)は製品・サービスそのものの改善ですね。壊れにくくするとか、より性能を高める、みたいなことでしょうか。

b)は望ましくない影響の修正、防止、低減です。望ましくない影響の代表例は「不適合」ですが、「リスク」もここに含まれるでしょうね。不適合を減らすための取組とか、リスクを低減したりリスクが回避されるような取組を改善としてやりましょう、ということでしょうかね。

c)は品質マネジメントシステムのパフォーマンス・有効性の改善で、これは例えば、品質目標がより達成しやすくなるためにやり方を改善する、みたいなものと考えるとわかりやすいでしょう。

このa)からc)が、何を改善するかの切り口になっていると考えることができます。

そして最後、注記です。ここにこの規格における「改善」の定義が書かれています。「改善には、例えば、修正、是正処置、継続的改善、現状を打破する変更、革新及び組織再編が含まれ得る。 」と書いています。ちっちゃなちょっとした改善もあるけれども、今までの取組の延長線上にないような思い切った取組も改善なんだよ、ということを言っています。地道に手順書を改定して教育を積み重ねていくのも改善ですけど、IoTやらAIやらを使って今までとはまったく異なる方法で仕事をする、というようなことも含めて取り組んでくださいね、ということですね。

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