【速報】ISO 9001:2026 主な改訂点をSGSが公表(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

8月18日、大手第三者認証機関のSGSは、当社のWebサイトで、ISO 9001:2026の改訂予定と、主な改訂点を公表しました。解説します。

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SGS “ISO 9001:2026 – Key Updates and Transition Guidance”

改訂タイムライン(予定)

フェーズ マイルストーン
現行規格 ISO 9001:2015
DIS(Draft International Standard) 2025年8月下旬または9月上旬予定
FDIS(Final Draft International Standard) 2026年半ば
新規格発行 2026年第3~4四半期を予定
移行期限 発行から3年間(〜2029年後半)

この予定は、各所で言われている情報とほぼ同じですね。

ISO 9001:2026 想定される変更の概要

ISO 9001:2026は、2015年版をベースとしていて、それほど大きな変更はないと見られています。(これも大方の予想のとおりです)

SGSの見立てとしては、Annex SL(マネジメントシステム規格における利用のための上位構造)に基づいて規格の構造を修正するほか、2015年版の要求事項を明確にしたり理解しやすくしたりするという軽微な変更のほか、品質文化や倫理的な行動に関する要求事項が追加になるとしています。近年のビジネス環境を考慮した変更が行われるようですね。

もちろんDISやFDISの発行後に更に修正・追加されることがあるかもしれませんが、今のところ新たな要件の追加や大きな変更は見られないようですね。

軽微な修正とは言えども、今の運用を見直さないといけないポイントもありそうです。そのあたりのポイントは、以下の箇条別の解説の中で考察していきたいと思います。

ISO 9001:2026 想定変更点 3. 用語および定義(Terms and definitions)

どうも「用語および定義」も追加が検討されているようです。SGSのサイトでは「ISO 9000(品質マネジメントシステム-基本及び用語)への依存度が軽減されるかもしれない」と書いています。

ISO 9001:2026 想定変更点 4. 組織の状況(Context of the organization)

箇条4は少し修正される可能性があるようです。(どこが変わるかはSGSのサイトでもはっきりは書いていない)

当たり前だと思いますが、追補改訂で含められた気候変動に関する要求事項は、2026年版でも引き続き含まれるようです。

あまり具体的な情報がないので、どう対応すればいいかは具体的にはわからないのですが、課題分析(4.1)、ステークホルダーマップ(4.2)、および適用範囲(4.3)に見直し必要かどうかを判断し、必要ならば更新する必要がありそうです。

ISO 9001:2026 想定変更点 5. リーダーシップ(Leadership)

リーダーシップでは、品質文化、継続的な改善、倫理的行動の促進に重点を置くよう要求事項が追加されるようです。倫理的行動の促進というキーワードは、ようは「自社の儲けだけを考えない」ということと考えるとわかりやすいです。自社の儲けだけを考えることは、顧客満足に反しますからね。

また、品質方針は、組織の戦略的方向性と外部状況を反映することが期待されるようです。戦略的方向性というのは、一般論でいうと、自社がどういう分野に力を注ぎ、そこでどういう競争優位性を発揮しようとしているかということだと思います。このあたりは用語の定義をしっかりする必要があると個人的には思います。

この変更により、品質方針を変更しないといけなくなることはほぼ確実だと思います。しかし審査員がそれを正しく審査できるのかな?という気がしますし、仮に新しい規格要求事項の通りに品質方針が変更されても、それだけで「品質文化」や「倫理的行動」を重視する経営が確実になるわけではないですよね。方針を体裁だけ変更をして、実際の経営では何の変化もない、という企業がたくさん出そうな気がします。

続きは次回に解説します。

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士