デジタル技術がコンサルティング業界に及ぼす影響
コンサルティングサービスは「属人的」とよく言われます。コンサルタント個人の持っている力量が、業務のスピードや質を決めるかなり大きな要因となっているからです。確かに力量あるコンサルタントに仕事を依頼すれば、期待されるアウトプットが出せるかもしれません。
しかしコンサルタントは人間です。短期的には、体調や気分に仕事の出来栄えが左右されかねません。また、歳を重ねるごとに、新しい知識や情報を仕入れるのが億劫になったり、見立てや判断にも陰りが見えることでしょう。つまり、コンサルタントの力量は安定していません。そして、そうした不安定なコンサルタントに、クライアントは依存しなければならないという構造が、この業界では当たり前になってきました。当社は、コンサルティングサービスを提供する者として、こうした「属人的」な力量に依存するあり方は望ましくないと考えます。安定したアウトプットを継続的に提供できてこそ、クライアントの利益につながるからです。
これまでは、そうした「属人的」なあり方に手を打つことは困難でした。しかしデジタル技術が発展を遂げる現代では新たな展開が可能になると考えます。例えばこれまでは、クライアントの情報(財務的な情報をはじめ、生産、品質、営業に関する情報、組織のエンゲージメント等に関する情報)をどう読み、どう判断するかは、完全にコンサルタント個人の経験と勘に頼るものでした。その経験と勘には、概ね「バイアス」がかかっています。しかしAIやデータ分析技術を活用することによって、客観的に情報を分析することが可能になります。これまでデータを取りづらかったもの(例えば従業員の披露やストレスの状態)も、データとして収集が可能になります。こうしたデジタル技術の進展によって、いままでは困難であった測定、分析、そして分析結果を踏まえた助言という、新しいコンサルティングサービスの提供の可能性が生まれました。
こうしたデジタル技術を取り入れ、「属人的」な支援のあり方から脱しようとしている同業者はほとんどいません。つまりコンサルティングサービスにデジタル技術を取り入れることは、クライアントに「他社では提供できない価値」を提供できることにつながります。ひいては、競合他社に対する優位性へとつながっていきます。
マネジメントオフィスいまむらのデジタル経営ビジョン
こうした環境の変化をうけ、当社では「デジタル経営ビジョン」として、次のことに取り組みます。
- デジタル技術を活用し、クライアントとの距離を縮めます(リモート技術の活用)
- デジタル技術を活用し、クライアントにこれまで提供できなかった測定・分析・助言サービスを提供します(IoTやAI等による測定技術・分析技術の活用)
- デジタル技術を活用し、サービス品質の安定化につとめます(作業の自動化等によるヒューマンエラーの削減)