おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
8月7日に、ものづくり補助金公募要領(一般型・グローバル展開型)1.0版が公開されました。今日はグローバル展開型で求められる4類型のうち、③類型:インバウンド市場開拓について、公募要領を読み解きます。
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③類型:インバウンド市場開拓について
①類型の「海外直接投資」、②類型の「海外市場開拓」ときたけど、③類型の「インバウンド市場開拓」はターゲットが明確だね。
訪日外国人をターゲットとする事業を行うにあたっての設備投資が対象なのがこの③類型ですね。
②類型:海外市場開拓の2つの条件
③類型では下記の2つの条件が指定されています。これは全部満たす必要があります。
- 国内に補助事業実施場所を有し、サービス等の販売先の2分の1以上が訪日外国人となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること
- 応募申請時に、具体的な想定顧客が分かるインバウンド市場調査報告書、実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を追加提出すること
条件ひとつめ
国内に補助事業実施場所を有し、サービス等の販売先の2分の1以上が訪日外国人となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
これも「国内に補助事業実施場所を有し」ってあるので、導入する機械装置等は日本国内に設置するということだね。まあ、インバウンドがターゲットだしね。
そうだね。そのうえで①サービス等の販売先の2分の1以上が訪日外国人となり、②計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有しているの2つの条件をどちらも満たす必要があるね。
サービス等の販売先の2分の1以上が海外顧客
②類型では「製品等の販売先の2分の1以上が海外顧客」だったけど、③類型では「サービス等の販売先……」ってなってるね。インバウンドでは新製品の開発というより、新サービスの開発が主眼におかれてるんでしょうかね。
製品だと日本在住の日本人も買うだろうだろうし、インバウンド対象にはなりがたいということなのかな。まあそれでも「サービス等」だから、製品でもOKだろうけどね。(それにしても販売先の2分の1以上が海外顧客だと具体的にどう主張すればいいのか)
最低でも1,500万円~2,000万円以上の投資が必要なインバウンド対象サービスってどんなサービスなんだろう?
うーん、僕はインバウンドビジネスについては門外漢なので想像するのが難しいね。ものづくり補助金は内装工事とか建屋建築とかは対象外だし、基本は設備投資だしね……。思いつきだけど、多言語対応の観光情報などを網羅した地図アプリとか?まあそれでも1,500万円もかからないと思うけど。
なにかの大掛かりなシステム開発案件っぽい気はしますよね。
計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画
そうだね。計画期間中というのは、補助事業の実施期間(3~5年)のことだね。この3~5年の間の売上累計額が、補助額(1,000万~3,000万)を上回るというものだね。これは推測だけど、その2の中で売上見込数値を明記する必要があるんじゃないかな。
ここでいう「売上」は、インバウンド向けの新サービスの売上ではなく、全社の売上じゃないの?
「補助事業の売上累計額」と書いているので、申請書に記入する新サービス等の売上だろうね。全社売上だとすぐ累計額が3,000万円くらい達成してしまう企業も多いだろうし。
しかし3~5年もあればコロナ禍も落ち着いているのかな?インバウンド需要はそうそう簡単には回復しないだろうし。
どうなるんだろうね。確かに今この時期にインバウンド向けの投資を1,500万円以上もする余力ある企業がいるの?とは思うところですよね。
条件ふたつめ
応募申請時に、具体的な想定顧客が分かるインバウンド市場調査報告書、実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を追加提出すること。
「応募申請時に、具体的な想定顧客が分かるインバウンド市場調査報告書」って、どんな報告書が必要なんだろうね。
これも難しいところだね。「具体的な想定顧客が分かる」というのがポイントだと思うので、例えば旅行者のなにかの属性に分類して対象顧客を決めているならば(年齢や性別、出身国など)その層に対する調査が必要なんだろうね。
「実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を追加提出すること」っていう条件もあるね。プロトタイプって何?
デモ目的や検証目的で作られた新サービスの初期モデルのことだね。このモデルを使って、仮説(対象顧客のニーズを満たしているかどうか?)を検証して報告しなさいということだろうね。
実績報告時に提出ってことは、交付決定から12ヶ月以内ってことだよね。その時期までに仮説検証できるだけのインバウンド顧客が戻ってきているかどうか……。
本当だね。実際のインバウンド顧客で検証しなさいとは書いていないので、別の方法でもいいかもしれないけど。