おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO45001:2018 各箇条解説シリーズ。今日は箇条6.1.4「取組の計画策定」を解説をします。特定したリスクや機会に対して、具体的にどう対処するかの取組を準備していきます。今回も例を使ってわかりやすく解説をします。
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ISO45001:2018 6.1.4 リスクと機会への対応 効果的な対策の考え方とは?(1)
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箇条6.1.4「取組の計画策定」の第1段階でやるべきこと
箇条6.1.4「取組の計画策定」の第1段階ではどのようなことをすればよいのでしょうか。第1段階では、リスク・機会へ対処するための、おおまかな方向性を決めるのですが、対処の方向性は、ISO45001のこの先の箇条で「管理策の優先順位」として示されています。(以下の図)
この逆三角形になっている5つの項目が対処の方向性です。
一番上の「危険源の除去」というのは、危険源そのものを物理的になくすことです。そもそも高いところにモノを置かないようにして、脚立の必要性そのものをなくそう、というイメージです。危険源そのものがなくなるので、これが最もリスク対策としては効果的(つまり安全)な対策と言えます。
2番目に効果的なのは「切り替え」です。危険性があるものを、危険性が低いものに切り替えるということです。例えば、脚立をやめて、留め金がついていない足場に置き換えるようなイメージです。
3番目に効果的なのは工学的対策です。脚立は使うんだけれども、脚立の安定性を高める装置や器具などを取り付ける、というイメージです。
次に効果的なのは、運営上の対策です。従業員に教育訓練をするとか、脚立を使う前に留め金の状態を確認するなどですね。
そして最後の手段が個人用保護具の使用です。脚立の留め金が外れても被害が最低限になるよう、落下防止ハーネスやヘルメットを着用するというイメージです。
この5つの対処の方向性は、もちろん一番上の「危険源の除去」が最も効果的なんですが、これらの方向性のうちどれを選ぶのかは、労働安全衛生に関する様々な情報も取り入れて、選択する必要があります。
ここではいろいろと検討した結果、例として、上から4番めの「運営上の対策」を取ろうと決まったとします。
箇条6.1.4「取組の計画策定」の第2段階でやるべきこと
そして第2段階では、教育訓練と使用前点検の具体的な実施方法について計画をしていくとともに、さらに危険源にまつわるリスクを下げることができないかを検討していきます。
計画なので当然、教育訓練や使用前点検について、いつ、誰が、どこで、どんなことをするかを決めますが、検討するのはそれだけではないでしょう。
他社での成功事例などがないかも探し、それを自社の取組に活かせないかを検討することもできそうです。こうしたベストプラクティスを取り入れることで、危険源にまつわるリスクをさらに低減することができます。
もちろん、予算や時間、技術的な制約も考えないといけないでしょうし、教育訓練と使用前点検をやりっぱなしでもいけませんので、どうなればとった対策が効果的だったと判断できるかという基準なども考えておく必要がありますね。
こうしたポイントを可能な限り検討して、具体的な対策を決めます。そして、決めた対策が現場で継続し、定着するように、作業手順書にこうした点検のことを盛り込んだり、教育訓練計画の中に盛り込んだり、トップからも周知をしてもらうことも検討しないといけませんね。
次回は、「取組の計画」ができた後のリスク・機会への対処の流れと、規格要求事項の解説をします。