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2020年実施ものづくり補助金(一般型)一次締切採択結果を分析する(③個人事業主・歯科医比率)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

先日公表された2020年実施ものづくり補助金1次締切の採択結果をします。今回は個人事業者の採択動向と、その中でも大きな割合を占める歯科医の割合を分析します。

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採択者に占める個人事業者の割合は10%超え。

個人事業者の採択率がどの程度かを調べる方法は簡単です。ものづくり補助金の採択企業一覧表をExcelに変換して、法人番号が空欄の事業者の数を数えればよいのです。その数を採択企業の総数で割ると、採択者に占める個人事業者の割合を求めることができます。これで数えると、この2次公募での個人事業者の採択数は152件でした。

全体の採択者数が1,429者ですから、採択者数に占める個人事業者の割合は約10.6%です。

過去の公募との比較。近年では最も個人事業者比率が高い

今回の公募と、過去4回の公募・締め切りにおいて調べてみました。

公募個人事業者数全体採択数全体に占める個人事業者の割合
H29年度補正1次5229,4435.5%
H29年度補正2次1972,4528.0%
H30年度補正1次5027,4616.7%
H30年度補正2次2002,0639.7%
R1年度補正1次1521,42910.6%

直近3回と比べると、採択者数に占める個人事業主の割合は、今回の1次締切が最も高いですね。徐々に比率が上がってきている感じがあります。特に今年の公募は、小規模事業者(個人事業者に多いと思われる)が加点されている上、従業員数の多い企業にとって負担の大きい賃上げ要件が加わったことにより、ある程度の規模の中小企業の申請が減ったのではないかと推測されます。

個人事業者の採択事例には歯科医が目立つ

ところで、個人事業者の採択者リストを見ると、毎年気づくことが「歯科医が多いなあ」という点です。歯科医の採択傾向を分析してみます。

採択者のうち「歯科医」はどう調べればよいでしょうか。

まず、ものづくり補助金は医療法人は適用対象外ですので、医師であれば個人事業者でなければ申請ができません。個人事業者のうち、「歯」「デンタル」「dental」「dental」といったキーワードを含む申請者名称を数えることで、だいたいの数字が拾えるのではないかと推察します。(このやり方だと、個人事業者の歯車製造業や、歯科技工士も含んでしまうところに注意が必要ですが、今回の分析では誤差の範囲として扱います)

これで調べると、採択された152件の個人事業者のうち、歯科医と思われる事業者は78件です。個人事業者にしめる歯科医の割合は51.3%です。

過去のデータと比べてみましょう。

公募個人事業者数推定歯科医数個人事業者に占める歯科医の割合
H29 年度補正1次55213926.6%
H29 年度補正 2 次1978442.6%
H30 年度補正1次50216432.7%
H30 年度補正 2 次2009949.5%
R1年度補正1次1527851.3%

歯科医比率は徐々に高まっているように見えます。

なぜ歯科医は目立つのか?

個人事業者の約半数、そして採択事業者全体の5%程度を歯科医が占めるというのは、なかなか特徴ある結果だと思います。

どうして歯科医はこのように目立つのでしょうか。当社は歯科医支援の実績がないので、完全に憶測ですが、下記のような点にあるのではないかと思っています。

  • 歯科医は医師全般と比較しても、設備投資の負担が重い
  • 競争も激しく、最新型の設備を入れなければ他社との差別化が難しい
  • 歯科設備のメーカーや販社も、このような事情により、営業に積極的
  • ものづくり補助金に申請をする他業種(特に製造業)と比べても、財務状況が比較的よく、審査での評価を得やすい上、賃上げ要件にも対応しやすい
  • 今年の「小規模事業者加点」にうまく

折からの米中摩擦や消費増税などの影響を受け、ものづくり補助金最大の申請層である製造業の投資熱が冷めつつあるため、相対的に歯科医の割合が高まったのではないかと思います。

ただし、不採択も含めた申請全体の数で分析をしなければ、歯科医が採択されやすいかどうかははっきり言えません。割合が高まっていることと、採択のされやすさは必ずしも一致しないことに留意が必要です。

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