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2020年実施ものづくり補助金(一般型)3次締切採択結果を分析する(①全体的分析)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

9月25日に、2020年実施ものづくり補助金(一般型)3次締切の採択結果が発表となりました。1次・2次締切と比べると、採択率が大きく落ち込んだことが特徴です。今後の対策として見えることはあるでしょうか。

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当社の結果は3件支援中1件採択でした

まず、いつも偉そうなことを書いているあなたの結果がどうだっかを公表しなさいよね。
はい……3次締切では3件支援中1件採択でした……。不採択となったお客様を落胆させてしまい、申し訳ございません💦 これが当社の偽らざる実力なので、この記事の内容も含めて、むやみに信用しないでくださいね。

全体としては2次締切の採択率より20ポイント近く下落

採択率がかなり低かったみたいだね。
そうなんだ。総合サイトによると、全体としては6,923件の申請に対して2,637件の採択で、採択率は38.1%。2次締切が3,267/5,721件で採択率57.1%なので、それと比べると20ポイント近く下落しているね。
全体としてはそうだろうけど、細かい側面から分析すると、また違って見えるんだよね。
そうだね。まずは特別枠と通常枠別に採択率分析をしたので、これを見てもらいましょうかね。
申請者採択者(採択時類型ベース)採択率採択者(提出時類型ベース)採択率
1次通常枠2,2871,42962.5%1,42962.5%
2次特別枠3,3211,77353.4%2,26168.1%
通常枠2,4001,49462.3%1,00641.9%
合計5,7213,26757.1%3,26757.1%
3次特別枠4,5601,07623.6%2,14847.1%
通常枠2,3631,56166.1%48920.7%
合計6,9232,63738.1%2,63738.1%
4次特別枠7,1031,74824.6%2,60436.7%
通常枠2,3631,38458.6%52824.6%
合計9,4663,13233.1%3,13233.1%
「採択者(採択時類型ベース)」と「採択者(提出時類型ベース)」ってどう違うの?
「採択者(採択時類型ベース)」とは、特別枠申請したけど不採択になって通常枠で採択されたケースを考慮に入れているパターンですね。一方で、「採択者(提出時類型ベース)」は、それを考慮に入れず、事業者が申請した際の類型のままでカウントしたパターンです。
どっちを重点的に見たほうがいいの?
「どっちの類型で申請するほうが採択の可能性が高いか」という観点で見るならば、後者の「採択者(提出時類型ベース)」かなあ。
なるほど。「採択者(提出時類型ベース)」でみると、特別枠申請者の採択率は47.1%で、通常枠申請者の採択率は20.7%だね。これは差が顕著ですね。
そうなんですよ。2次締切でも、特別枠のほうが採択率が高いんだけど(特別枠で不採択になっても通常枠で加点されて自動に再審査されるため)、今回はそれぞれ20ポイント近く下落してるんだよね。

採択率20ポイント下落の理由は?

どうして2次締切と3次締切で、特別枠も通常枠も20ポイントも下落したんだろうね。
ここから先は具体的な根拠もない憶測だけど、まず思いつくのは予算の関係だね。
特別枠は1次補正予算で700億円、2次補正予算の事業再開支援が1,000億円だったっけ?
そうだね。下記の経産省の資料を見てほしいんだけど、特別枠は「年度内に予定している締切に適用されます」って書いてるんだよね。(下図の赤枠部分)

うーん、つまり、今年度中に700億円使い切らないといけないので、特別枠の採択を優先してるってこと?
その可能性はあるね。特別枠での採択は、2次と3次あわせて2,849件あります。おそらく4次、5次もこのペースでいくと、6,000件近くになるだろうね。ものづくり補助金総合サイトの情報によると、採択企業1件あたりの交付額はおよそ825万円なので、6,000件の特別枠採択とすれば、予算の消化は全体で約500億円になります。
そうか。ものづくり補助金が500億円で、あとの残りの予算を持続化補助金とIT補助金で分けるとなると、だいたいこんな配分になる、ということだね。
まあ根拠のない推測だけどね。
これに加えて、事業再開支援の1,000億円あるもんね。(ものづくり補助金の場合は、特別枠B・C類型の補助率が3/4になるほか、事業再開枠として定額50万円)
そうなんですよね。これも根拠ない邪推だけど、事業再開枠の予算を消化するために、もしかしたらB・C類型の応募や事業再開枠の50万円を申請している企業のほうが採択率が高いかもしれませんね。まあ根拠はまったくないんだけど。

通常枠の採択率が20%程度である理由は?

しかしそれは、通常枠の採択率までも20%程度に下落した説明にはならないよね。
そうなんだよ。通常枠は別の予算(令和元年補正で基金形式として3年間で3,600億円)だからね。
1次~3次の通常枠採択者数は4,484件で、1件あたりの交付額が825万円とすると、予算の消化額は370億円程度ですからね。いくら3,600億円をIT導入補助金や持続化補助金と分け合っているとはいえ、まだまだ余裕はありそうだけど。
通常枠は1次~3次と、採択者数は(特別枠申請から通常枠を含んで)1,500件前後で安定してるんだよね。これも完全に根拠のない邪推なんだけど、3年間公募をするという前提で、もともと1回の締切あたり採択者は1,500件程度という内規のようなものが決められている可能性はゼロではないだろうね。
平成29年度補正の採択者数は年間で11,989件、平成30年度補正での採択者数は年間で9,863件だから、年間5回の公募で1回あたり1,500件(年間7,500件)というのは少ない気もするけどね。
まあ基金形式で3年間の通年公募というのは初めての試みだし、IT導入補助金や持続化給付金と分け合うことになっているし、コロナの関係などの流動的な要素もあるので、コンサバに見積もっていても不思議ではないかな。もちろん、これらも全て根拠のない邪推なんだけど。
今年のIT導入補助金の採択率は去年よりもかなり高いという根も葉もない情報を聞くことがあるけど、もしそうならものづくり補助金の予算分配割合は減っている可能性もあるかもですね。4次締切の結果も踏まえて、再度分析したいところですね。

4次締切に向けての教訓はあるか

一番気になるのは、4次締切に向けての教訓があるかどうかということなんだけどね。
申請者数は増えていく可能性が高いだろうね。1次~3次にかけて申請者数は右肩上がりです。これは緊急事態宣言が解除されて経済活動が復旧しつつあるということだけではなく、ものづくり補助金特別枠の認知度が高まっていることが要因としてあると思います。年度末に向けて設備投資の意欲が高まる企業もあるだろうしね。だから4次締切でも、競争が緩和される可能性は薄いと見ています。
事業計画の完成度を上げたり、加点要素の獲得がより重要になりそうだね。特別枠のほうが通常枠よりも20ポイント近く高いということは、特別枠で申請したほうがいい?
数字だけを見ればそうだけど、特別枠には申請要件があって①サプライチェーンの毀損への対応、②非対面型ビジネスモデルへの転換、③テレワークの推進、のどれかに該当しないといけないからね。無理やり当てはめようとすると、要件未充足ということで不採択になる可能性はあると思うよ。
特別枠採択者の事業計画名を見ていても、これは特別枠の申請要件とどう関係するのかな?という疑問を抱くものが、まあまああるような気がするんだけどね……
事業計画の内容まではわからないからね。ただ確実に言えるのは、特別枠に無理やり申請するために、本来必要のない設備投資をするということや、虚偽の申請をすることは本末転倒です。補助金をもらえるとはいえ、自己負担もあるわけだから、本来不要なものを買うことは経営にダメージを与えます。それを見た従業員も「社長は何やってんの?」と意欲を下げる可能性もあるので、気をつけてくださいね。

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