おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015各箇条解説、今回は箇条4.3「環境マネジメントシステムの適用範囲の決定」です。適用範囲というのは、皆さん方の企業が自由に決めてよいものです。しかし適用範囲の決め方には考慮すべき点が結構あります。
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適用範囲の実例を見る
適用範囲って何のこと?というのは、現物を先に見てもらったほうがわかりやすいかもしれません。
上記は、近畿地方の大手都市ガス会社である大阪ガスの環境マネジメントシステムの適用範囲です。JAB(日本適合性認定協会)のホームページで検索すれば、誰でも見ることができます。
「登録範囲」と書かれたところが適用範囲なんですけど、めちゃめちゃ長いですよね。これを見ただけでうんざりするかもしれませんが、大きく分けると3つのことがここにかかれています。
その3つとは、組織名、拠点、そして業務です。組織名というのは、部門の名前とか子会社の名前とかですね。そしてもう一つが拠点です。大阪ガスの事務所とか工場、発電所などが所在する住所が書かれていますよね。そして3つめが業務です。その組織、その拠点で、どういう業務を行っているか、みたいなことが書かれています。大雑把に言うと、この3つがメインのはずですね。
この例では、まず最初に業務が7つ書かれていますね。この7つの業務に対して、大阪ガスは、環境マネジメントシステムを適用しているということですね。そして次に組織名が書かれています。一番最初の行では、大阪ガス株式会社……これはグループ会社の本体企業でしょうね。そして子会社の名前が列記されています。最後に拠点ですが、住所が書かれていますよね。それが全部で30~40くらい書かれているんですかね。大阪ガスの全組織、全拠点でしょうか。全部じゃないとしても、ほとんど全部を網羅しているんじゃないかと思います。
このような感じで、適用範囲というのは、環境マネジメントシステムをどんな組織に適用して、その組織はどこに所在していて、そこではどんな業務が行われているかを書いている、というイメージで考えるとわかりやすいかもしれません。
箇条4.3「環境マネジメントシステムの適用範囲の決定」 の位置づけ
適用範囲がこうしたものであるというのを頭に入れた上で、箇条4.3「環境マネジメントシステムの適用範囲の決定」 の位置づけについて確認しましょう。
箇条4は、環境管理の仕組み(つまり環境マネジメントシステム)を構築する前段階の準備のような位置づけです。
箇条4.1では、組織における内部・外部の課題を理解しました。
そして箇条4.2では利害関係者のニーズや期待を把握します。この箇条4.1と4.2で把握をした課題や利害関係者のニーズなどは、
箇条4.3で定める環境マネジメントシステムの適用範囲を決める際に関わってきます。そして箇条4.3では、先程見たように、環境マネジメントシステムを 自社のどんな組織に適用して、その組織はどこに所在していて、そこではどんな業務が行われているかを決めるということですね。その決めた適用範囲に対して、次は箇条4.4で、環境マネジメントシステムの骨格を作っていく、という流れになります。
明日は箇条4.3の規格要求事項を解説します。