おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001規格に書かれている「ライフサイクル」について解説します。おそらくISO14001の中でも、トップレベルにわかりにくい概念じゃないかと思います。初回の今回は「ライフサイクル」とはそもそも何のことなのかを解説します。
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規格における「ライフサイクル」の定義
まずは「ライフサイクル」とは何かを見ていきたいと思います。
こちらがISO14001の規格に書かれているライフサイクルの定義なんですけど、相変わらず何を言っているかよくわからない書き方ですよね。
原材料の取得又は天然資源の産出から、最終処分までを含む、連続的でかつ相互に関連する製品(又はサービス)システムの段階群。
注記 ライフサイクルの段階には、原材料の取得、設計、 生産、輸送又は配送(提供) 、使用、使用後の処理及び最終処分が含まれる。
(ISO14001:2015 3.3.3より)
いろいろ例を使いながら、ここに書かれている意味を理解していきましょう。
「ライフサイクル」は もともと生き物に関する言葉
そもそも「ライフサイクル」という言葉は、生き物に関する言葉なんですよね。例えば、蝶のライフサイクルは、蝶が卵を産むことから始まります。その後、卵から小さな幼虫が生まれます。この幼虫は、葉っぱをたくさん食べて大きく成長します。幼虫は特定の大きさに達すると、さなぎになります。最後に、さなぎが羽化して成虫になります。そして蝶は、他の蝶を探して、新たな卵を産みます。蝶たちはこれを繰り返していくわけですね。これが蝶の「ライフサイクル」です。
ビジネスの世界でも使われる「ライフサイクル」という言葉
この「ライフサイクル」という考え方は、もともとは人間や生物などの変化のことを指す言葉ですが、それが転じて、ビジネスの世界でも使われることがあるんですね。ISO14001で使われている「ライフサイクル」という言葉は、まさにビジネスにおける使用例ですが、ISO14001だけではなく、マーケティングの世界でも使われる事があります(「プロダクトライフサイクル」などという言葉で使われます)。
ISO14001で使われている「ライフサイクル」という言葉は、製品が作られてから、ユーザーに使用されて、そして最終的に廃棄されるまでの一連の流れのことを意味しています。
例を使って説明をしましょう。プラスチック製のおもちゃを作って売っている会社があるとします。その会社は、まず原材料を手に入れないといけませんよね。プラスチック製のおもちゃの原料はポリカーボネートなどの樹脂ですね。そして、どんなおもちゃを作るのかという設計をします。続いて設計書にしたがって、おもちゃを作ります。できたおもちゃはお客さんのところへ運ばれて、お客さんが使ってくれます。子どもはすぐに成長して、おもちゃも飽きてしまうので、何年かしたら、長年使ったおもちゃを廃棄処分するでしょう。これがISO14001における製品の「ライフサイクル」ですね。
次回はこの「ライフサイクル」という言葉が、ISO14001でどのように使われるかについて説明をします。