おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
8月31日、経産省は令和6年度当初予算の概算要求に関する資料を公開しました。概算要求の段階ですが、2023年度当初予算の中小企業対策費として1,336億円(令和5年度概算要求1,343億円、当初予算額1,090億円)を要求しました。予算の全体像と、主なポイントを解説します。
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経産省資料はこちら
「令和6年度経済産業省関係概算要求のポイント」
当初予算の概算要求であり、補正予算ではないことに注意
なおこの度経産省から公開された資料は、令和6年度(2024年度)の当初予算の概算要求に関する資料です。知名度の高い大型補助金である事業再構築補助金やものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金の主たる予算は、当初予算ではなく補正予算で計上されています。よってこの度概算要求された当初予算は、これらの大型補助金とは基本的には別物です。
「令和6年度中小企業・小規模事業者・地域経済関係概算要求等ポイント」の資料の中には、これらの大型補助金に関する記述もありますが、「補正」と書かれているように、あくまでも補正予算で処置される施策ですので、お間違えないようにお願いします。なお、これらの大型補助金は、年内に審議・成立されると思われる令和5年度(2023年度)補正予算で、何らかの措置がされるかもしれません。
1,336億円を概算要求しているが、全てが予算化されるわけではない
なお今回の概算要求で、中小企業対策費として1,336億円を要求していますが、すべてが予算化されるわけではありません。あくまでも経産省が「これくらい予算を下さい」と財務省にお伺いをたてた額が1,336億円です。実際はここからかなり絞られると思われます。なお今年度(2023年・令和5年度)の当初予算も、概算要求額は1,343億円に対して、実際に予算化された額は1,090億円でした。(その前年である2022年度の当初予算から5億円減少)
新設される施策
- サプライチェーン・中小企業サイバーセキュリティ対策促進事業【2億円(新規)】
中小企業のサプライチェーンにおけるセキュリティに関する新施策に予算が計上されたのは、自動車産業でサイバー攻撃をうけた事例(小島プレス工業やデンソーなど)が最近相次いだことと関係あるかもしれませんね。ぼくの知っている自動車分野の機械加工屋さんでも、取引先から急にサイバーセキュリティに関する要求がいろいろくるようになった、と言っていましたし。
継続される施策(主なものに絞って)
※()内の金額は、2023年度当初予算額です
- 中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【32億円(8億円)】(エネ特)※エネルギー利用最適化診断等事業や地域エネルギー利用最適化取組支援事業
- 中小企業取引対策事業【36億円(24億円)】※下請けGメンや転嫁Gメンの活動
- 中小企業信用補完制度関連補助事業【70億円(35億円)】
- 中小企業活性化・事業承継総合支援事業【223億円(157億円)】※中小企業活性化協議会による再生等支援、事業承継・引継ぎ支援センターによるM&A支援等
- 後継者支援ネットワーク事業【6億円(2億円)】
- 成長型中小企業等研究開発支援事業【134億円(133億円)】※中小企業等が大学、公設試等の研究機関等と連携して行う、ものづくり基盤技術及びサービスの高度化に向けた研究開発及び事業化