おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO45001:2018年版 各箇条解説シリーズ、今回は箇条4.2「働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解」を解説します。今回は、利害関係者のニーズ・期待の例を説明したあとで、規格要求事項を解説します。
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【ISO45001:2018 4.2】労働安全衛生に関する期待・ニーズとは何か(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ISO45001:2018年版 各箇条解説シリーズ、今回は箇条4.2「働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解」を解説します ...
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ISO45001における「働く人」や「利害関係者」は、具体的にどのようなニーズや期待を持っているか
では、働く人や利害関係者は、具体的にどのようなニーズや期待を持っているのでしょうか。いくつか例を挙げたいと思います。
まず顧客ですが、製品やサービスが安全な条件下で提供されていることを確認したい、というニーズがあります。なんで顧客がそう思うのか?別にどんな環境だろうが、安く早く手に入れられたらいいじゃないか?と思う人もいるかもしれませんが、安全で衛生的な環境でものづくりをしていないと、品質や生産能力がばらつく恐れがあるからですね。もちろん、顧客として社会的責任から要求している場合もあるんでしょうけど、顧客としても取引先が安全衛生的にいい会社だと、リスクが低減できるという面もあります。
さらに、お役所などの規制当局は、労働安全衛生に関する法令を企業に守ってほしいというニーズ・期待があります。労働者の事故や病気が増えると、社会保障費などの公的負担が増えるからというのもありますし、当局が労働安全衛生の管理・監督を適切に行っていないという印象が広がり、役所に対する社会的信頼が低下する恐れがあるからですね。
最後に「働く人」ですが、これは明確ですね。身体的・精神的な健康を損なわない安全な環境で働きたい、というニーズ・期待があります。できるだけ長く、安定して、幸せに暮らしたいのはみんな一緒ですからね。
ISO45001:2018 4.2の規格要求事項
これらの前提を踏まえた上で、箇条4.2の規格要求事項を見ていきましょう。
a)からc)までの、3つのことを決めなさい、と言っています。これまで説明してきたことを踏まえると、だいたいわかってもらえると思います。
最初のa)は、働く人に加えて、皆さん方の会社の環境マネジメントシステムに関連する利害関係者が誰なのかを決めなさい、ということですね。
次のb)は、皆さんの会社で働く人と、利害関係者から求められている、皆さん方の会社に影響を与えるようなニーズや期待を決めなさい、ということです。
そして最後のc)ですが、決めたニーズや期待のうち、絶対に守らなければならないものがあるはずです。例えば、法律で求められていることや、お客さんから求められること、業界団体などから求められることなどですね。お客さんから労働安全衛生に関して求められることがある、というのは、日本の企業ではあまりイメージできませんが、海外では、顧客から労働安全衛生に関していろいろと求められることが増えています。例えばアップルは、サプライヤーに労働安全衛生管理を要求しています。
ところで、箇条4.2は、文書化の要求はありません。ですので、これらのニーズや期待を、なにかの様式に書いてまとめておくということはしなくてもいいんですが、私の個人的なおすすめとしては、書き残しておいたほうがいいんじゃないかと思っています。ここで決めた利害関係者のニーズや期待を踏まえて、箇条6ではリスクや機会を洗い出すことになります。ですので、ここでニーズや期待を書き残しておくと、あとでいろいろと便利かなと思います。
働く人や利害関係者のニーズや期待は、この後、箇条6で、企業活動に反映させる上で大切になってきますので、しっかり理解をしてくださいね。