おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO45001:2018 箇条4.4「労働安全衛生マネジメントシステム」について解説をします。初回の今回はそもそも「マネジメントシステム」とは何なのかを、できるだけわかりやすく説明をします。
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箇条4.4の位置づけ
まずは箇条4の全体像を見てみましょう。箇条4.1では、組織のおかれている状況を理解しました。箇条4.2では利害関係者のニーズを把握しました。それらをもとにして、箇条4.3では、わが社のどういった仕事や拠点などに、この労働安全衛生マネジメントシステムを適用するかという適用範囲を決めましたね。そして今日説明する箇条4.4は、箇条4.3で定めた範囲内で、労働安全衛生マネジメントシステム…つまり、労働安全衛生を管理していくための仕組みを作って維持していくことを求めています。
箇条4.4の規格要求事項
では箇条4.4の規格要求事項を見ていきますが、これだけなんですよね。短すぎて逆に何書いているかわからないのが特徴です。この箇条では、労働安全衛生マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、かつ、継続的に改善をしなさい、と言っていますが、そもそも「労働安全衛生マネジメントシステム」とは何なのでしょうか?
まずは「システム」という言葉を理解しよう
突然ですが、システムキッチンってありますよね。あれ、なんで「システム」っていう言葉がついているか、ご存知ですか?
システムキッチンというのは、ビルトインコンロや調理台、シンク、収納、レンジフードなどが一体となっていて、さらには一枚板の天板(てんばん)で繋がっているキッチンのことです。継ぎ目や段差がなく、すべてが一体となったキッチンのことですね。
一方、システムキッチンではないキッチンは、セクショナルキッチンといって、コンロやシンク、キャビネなどがパートごとに独立しているキッチンのことを言います。昭和の家庭の台所みたいなのがセクショナルキッチンだとイメージしてください。
このように「システム」というのは、いろいろな部分が一緒に働いて、大きな一つの仕事をするためにまとまっているもののことを言います。システムキッチンも、料理という、大きな一つの仕事をするために、必要なパーツが、全て一体となって繋がっているもの、なんですね。
では「マネジメントシステム」とは何か?
マネジメントシステムも、システムキッチンと同じように考える事ができます。
マネジメントシステムとは、経営において、いろいろな仕事や業務、作業が互いに関連しあって、大きな一つの仕事をするためのまとまりのことを言います。会社の仕事や業務、作業は、バラバラに行われているわけではなく、お客様のため、社会のため、自分たちのためという大きな目的を果たすために、お互いが関連しあっていますよね。この仕事や業務、作業をひっくるめたものが「マネジメントシステム」です。
ですので「マネジメントシステム」は、どの会社にもすでに存在するものです。ただ、この「マネジメントシステム」は、会社によって様々ですし、地域性やお国柄もあります。それを放っておくと、新しい取引を始めるときに、この会社はどういうマネジメントシステムなんだろう?と一から確認しないといけなくなって、大変面倒くさいことになります。そこで、ISOという機関が「マネジメントシステムのお手本のようなもの」を作っているわけですね。そのお手本に従っていれば、この会社はどういうマネジメントシステムを持っているのかが、すぐわかるからです。
では、ISOが定める「マネジメントシステム」とはどういうものなのでしょうか?それについては次回説明をします。