【内部監査レベルアップ講座】 “トップマネジメント”を内部監査する(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

トップに対する内部監査は、一般的に、儀礼的で紋切り型の監査に終止しているケースが多いんじゃないかと思います。今日はそんな厄介なトップに対する内部監査について、基本的な考え方を解説します。

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トップマネジメントを内部監査するのはなぜ重要か

まずこの図から見ていただこうと思います。この図は、ISO9001の規格の最初の方に出てくる図なので、見たことがある人もいるかもしれません。

この図をわかりやすく、一言で説明すると、会社がどうやってISOの仕組みを上手く進めていくかを示している図です。

中心にある「リーダーシップ」というのは、社長とか上の人たちのようなトップが会社をどう引っ張っていくかということです。これが図の中心に書いていて、しかも、いろんなところに矢印が伸びていますね。つまり、トップが会社を引っ張っていって、いろんな仕事をサポートすることが重要なんだよと、規格は言っているわけです。

もう少し具体的に言うと、トップが、しっかりと方向を示して、みんながその方向に向かって働けるようにしたり、会社の目標を決めたり、必要なモノや人手、お金を用意したり、みんなが同じ目標に向かってがんばれるようにしっかりサポートするというのが、トップの仕事だと、この図は言っているんですね。

そうすることでようやく、会社がうまくまわって、お客さんにいい製品やサービスを提供できるようになる、ということです。ですので、内部監査でもしっかりと、トップの役割を監査しないといけないということですね。

トップの視点にたって内部監査をしなければならない

トップに響くように監査を進めるためには、下記の図のように、ISOの専門用語をそのまま使うのではなく、トップの視点に立った言葉遣いが大切です。

トップの人たちが話す話題は主に、組織全体の戦略的なこととか、長期的な目標とか、組織の方向性に関することです。一方で、従業員は、もっと実務的で、日々の業務遂行に関することが話題の中心です。経営者が「森」を見ているのに対し、従業員はその「木」に目を向けているわけです。

したがって、ISOの規格の深い理解よりも、経営者はISOが会社の成果にどのように貢献するかに関心があります。内部監査を行う際は、この点を念頭に置き、会社がどう向上するか、顧客にどう評価されるかという経営者の言葉でコミュニケーションを取ることが重要です。具体的にどうするかは、次回以降に例をあげながら説明をします。

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士