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ISO45001 ブログ

ISO45001:2018 7.3 なぜ「認識」させることが必要なのか?(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO45001:2018 各箇条解説シリーズ。今日は7.3「認識」を説明します。なぜ安全衛生に関する「認識」をみなさんがたの会社で働く人に持ってもらう必要があるんでしょうか?その理由も含めて、規格要求事項を説明します。

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箇条7.3の位置づけ

まず、箇条7.3の位置づけを確認します。

箇条4では、会社の状況を考慮して労働安全衛生マネジメントシステムを構築することが求められています。箇条5では、マネジメントシステムを円滑に運用するために、トップが果たすべき役割を定めています。箇条6では、安全で健康的な職場を作るための問題を洗い出し、対策と目標を設定することが求められています。箇条7では、その計画や目標に取り組むための人材や道具、設備などの準備が求められています。今回はその中の箇条7.3「認識」について説明します。

そもそもなぜ「認識」をもってもらう必要があるのか

そもそもの話ですが、なぜ「認識」が必要なんでしょうかね。これは「認識」の有無が、行動に影響するからです。

例えば、フォークリフトで荷下ろしをしているとき「ちょっとの間なので、フォークリフトのエンジンをかけっぱなしで、サイドブレーキもかけずに作業しても多分大丈夫だろう」と思う人がいたとします。でも床に勾配があるような現場では、フォークリフトが勝手に動き出して、事故につながる可能性がありますよね。

こうしたことを「認識」していれば、そんな行動はとらないはずですよね。しかし、まったく「認識」がなければ、こうした危険な行動をしてしまうことがあります。このように、認識があるかどうかが、その人の行動を左右します。だから認識が必要なんですね。もちろん、認識していてもダメなことをやってしまう人もいますけれども、最低限の認識は持っておかないといけません。

究極的には、全社員が完璧に「認識」することが求められている

ISO45001:2018の箇条7.3の規格要求事項では、その冒頭に「働く人に、次の事項に関する認識をさせなければならない。」と書いています。

これを厳密に読むと、働く人の一人も漏れなく「認識」していることを、規格は求めています。ですので、厳しい外部監査員がいたとして、監査のときに現場にいる従業員をつかまえて「ちょっと、労働安全衛生目標について説明して」と尋ねるかもしれません。もし尋ねられた従業員の人が「いえ、ちょっと覚えていません」とか言おうものなら、「認識できていない!」と不適合になってもおかしくないくらいの要求事項です(実際にはそんな極端な審査は絶対にされません)。ただ規格としては、究極的にはそのくらいのことを求めています。

さらにまた厳密にいうと、ここでいう認識とは、単に方針や目標などを暗記しているだけではダメです。この目標はなんのためにあって、なぜこういう目標になっていて、組織が目指すゴール(方針)とどういう関係があって、そして自分の仕事ににとってどういう意味があるかまでわかっている、ということが認識です。そこまで「認識」が徹底できていれば、確かに事故は防げそうです。しかしこれを一人も漏らさず全従業員に認識させるというのは、無理と言っても言いすぎではないでしょう。

おそらく「これで働く人のすべてが完璧に『認識』できた!」という瞬間は絶対に訪れることはないでしょう。どうやって認識をしてもらうか、という試行錯誤が延々と繰り返されるというのが現実じゃないかと思いますし、実際の審査では、そうした試行錯誤をして「認識」の向上に努めていることが説明できればOKだとは思います。

明日は規格要求事項を説明します。

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