おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
マネジメントレビューをどう運用するべきかという質問をよく受けることがあります。確かにマネジメントレビューは審査対策として形骸化しているケースもよく見ます。効果的な運用方法について考察していきます。
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【マネジメントレビュー レベルアップ講座】 形式的にならない効果的なマネジメントレビューとは?(1)
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【マネジメントレビュー レベルアップ講座】 形式的にならない効果的なマネジメントレビューとは?(2)
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マネジメントレビューではトップマネジメントの巻き込みも不可欠
マネジメントレビューでは、トップの巻き込みも不可欠です。一般的に品質や環境、安全衛生といった社内の課題は、トップは「下に任せている」と認識していることが多くて、あまり積極的に関与しない場合があると思います。
しかし、現場がいくら改善活動をしても、やはりトップが積極的に理解や関与してくれなければ、現場のモチベーションも下がりますよね。ですので、事務局や管理責任者の方々には、トップの関心や積極性を引き出すことを頑張ってもらいたいと思います。(大変なことだとは重々承知の上ですが…)
トップマネジメントを巻き込むにあたって最初に検討していただきたいことは、分析のやり方を工夫することです。単に不良発生状況のグラフをトップに見せるよりも、「不良の発生率と製造コストの関係」みたいな分析データを示すと、経営者もノッてきそうですよね。このようにトップが一般的に関心のあること(売上の増加やコスト削減など)と関連付けた分析を行って関心を惹くというイメージですね。
(本来はこんな努力をするまでもなく、トップには品質や環境、安全衛生についての関心を持ってもらいたいところですが…)
規格が要求するインプット・アウトプット項目は全部網羅する必要があるのか?
ところで、マネジメントレビューのインプット・アウトプット項目は、規格ではたくさん挙げられていますが、これらは全てマネジメントレビューで網羅しなければならないのでしょうか?
これもたまに質問を受けることですが、箇条9.3のマネジメントレビューのインプット・アウトプット項目の規格要求事項では「考慮する」(consider)と書かれています。「考慮する」(consider)という意味は、考えなければならないが、考えた結果除外することも可能、という意味です。ここから推察すると、インプット・アウトプット項目は必ずしも全て網羅する必要はないと判断ができそうです。
しかし、マネジメントレビューは「マネジメントシステムの適切性、妥当性、有効性、戦略的方向性と一致しているかどうかを確認し、軌道修正する場」という目的を考えると、本当にこれらのインプット・アウトプット項目を除外してよいのかという気もします。大所高所から取り組みをチェックするトップマネジメントに適切な情報がインプットされないことはリスクが大きいため、現実的には「考慮にいれる」(take into account)とみなして、全ての項目をインプット・アウトプットすると解釈するのが妥当だと、ぼく個人的には思っています。
マネジメントレビューはトップマネジメントの積極的関与が効果を生むカギ
はい、というわけで「マネジメントレビュー」を効果的に運用するにはどうするかというテーマで、3回にわたってお話をしましたがいかがでしょうか。
マネジメントレビューは組織の戦略とマネジメントシステムを一致させ、継続的な改善を実現するために不可欠なプロセスです。マネジメントレビューの主役はトップなので、トップがその気にならない限り意味がありません。トップがやる気にならないものに成果が出るはずがないですから、トップの方がまず率先してマネジメントレビューにしっかりと対応していただくことが必要だと思います。