ISO45001:2018 9.3 労働安全衛生のマネジメントレビュー 何を確認し 何を判断する?(2)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

マネジメントレビューは、ISO45001がうまくいっているかどうかを、組織のトップが評価する場です。規格の解説に加え、マネジメントレビューで確認すべき具体的なポイントを、わかりやすい例を使って説明します。

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前回の記事はこちら

箇条9.3の規格要求事項(インプットの続き)

昨日はc)まで説明しましたので、今日はd)から説明をします。

d)は、労働安全衛生パフォーマンスに関する情報です。パフォーマンスとは、箇条8.1.1で定めたプロセスに関する基準が守られているか、または箇条9.1.1でのモニタリング・測定・分析の結果などを指します。d)では、1)から6)の情報も含めるように求められています。

d)の1)は、インシデント、不適合および是正処置、継続的改善についてです。どれだけヒヤリハットや事故、不適合が発生し、是正処置がどのように進んでいるか、また改善が進んでいるかを確認します。

2)はモニタリングおよび測定の結果です。箇条9.1.1で、何をモニタリングし測定するかを決めましたが、その結果を報告することになります。

3)は順守評価の結果です。これは箇条9.1.2で実施した順守評価、たとえば法律が守られているかどうかの結果です。

4)は監査結果です。内部監査や外部審査、労基署の臨検を受けた場合、その結果について報告します。

5)は、働く人の協議および参加です。例えば、安全衛生委員会の実施状況や参加状況、安全衛生委員会で検討した改善策の結果などを報告します。

6)のリスクおよび機会については、リスクに対する現行の対策が効果的かどうか、または対策の改善が必要かどうかを評価した結果を報告します。

次はe)です。これは資源の妥当性についてです。資源とは、人、物、金のことを指しますが、現状の自社においてこれらが十分に確保され、必要な部署に行き届いているかについて報告します。例えば、人手不足で教育が計画通り進んでいない、保護具の更新が必要だ、といった報告が含まれます。

f)は、各利害関係者(例えば従業員、顧客、地域社会、サプライヤー、規制当局など)と話し合われた内容について報告します。

最後にg)は、継続的改善の機会です。内部監査や外部監査での推奨事項、モニタリング・測定・分析の結果、現場からの改善提案などを報告することが望ましいです。

次回はアウトプットについて解説をします。

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士