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超過達成(overachieve)は マネジメントの観点では有効ではないのか

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

超過達成(overachieve)って聞いたことありますか?目標を大幅に超えて実績を残すことなのですが、これについて当社にちょっとしたコメントがありました。このコメントを手がかりに、超過達成overachieve)を監査の場などで見つけた際にどのような扱うべきかを解説します。

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当社の動画についたコメント

当社の動画「ISO9001:2015 5.1「リーダーシップ及びコミットメント」はトップの責任を定めたもの」では、以下のような例を使って「有効性」について述べています。

この例は、箇条5.1.1「リーダーシップ及びコミットメント」の説明の一貫として用いたものです。箇条5.1.1では「トップは品質マネジメントシステムの有効性について説明責任を持つ」と、規格には書いていますが、その文脈で「有効性とはなにか」を説明しています。

これに対して、当社の動画に、以下のようなコメントがついていました。

グラフにおいて、計画に対するパフォーマンスが110なら結果が有効である理解できますが、パフォーマンスが130というのは目標の妥当性に重大な問題があり、マネジメントとして有効な結果と評価にはならないと思います。

つまり、超過達成(overachieve)はダメだから、有効性があるとは言えない、という主張です。

この主張は、はっきり言って的外れです。この動画では、「計画した活動を実行し、計画した結果が達成した程度」(JISQ9000:2015 3.7.11)という規格が示す定義を示して、有効性についての説明をしています。規格の定義はあくまで『計画された目標を達成した程度』に限定されています。目標を超えるパフォーマンスを出したことの是非は、この定義から見出すことはできず、単にその活動が「目標を超える有効性を示した」かどうかだけしか述べていません。すなわち、ISOの定義上では、パフォーマンスが計画より上回る場合も、計画を達成(または超え)しているという意味で、十分「有効」と評価されるものです。

ですので、本来ならばこういう的外れな論点ずらしコメントには取り合わないのですが、いつか超過達成についてもどこかで説明をしなければと思っていたので、ちょっとこのコメントに取り合ってみたいと思います。

超過達成(overachieve)はダメなのか?

この人は「パフォーマンスが110ならばOKだが、130なら目標設定そのものが甘すぎる(低すぎる)ため、マネジメントとしてダメ」と言っています。目標に対して達成したかどうかだけの単純な評価であれば有効かもしれないが、「マネジメントの観点では」有効とはいえない(=妥当性を欠いている)と主張しているわけですね。ここでいう「マネジメントの観点」というのは、おそらくですが、正しい目標管理のありかたを100とした場合、こうした甘い目標を設定してしまうのは80くらいとしか評価できないのだから、目標管理のあり方としては有効ではない、ということが言いたいのだと思います。

たしかに目標設定が不適切なら、改善すべき管理上の問題だと言えます。これは目標管理の「あるある」ですが、目標設定を求められる現場では、自分たちが達成出来そうなことから逆算して目標を設定するようなことがよくあります。ぼくもサラリーマン時代はそんなことをやってました。これだと目標を設定しても改善に至らないので、目標管理が機能しませんよね。そのケースで超過達成したのであれば、これは「マネジメントとしての妥当性(目標設定の妥当性や目標管理の品質)」に欠けると指摘をすることは、まあ納得できます。

超過達成(overachieve)のバリエーションを考慮すべき

ところが、超過達成には、目標設定が甘かったというケース以外にも、多様な理由が考えられます。例えば目標設定が甘かったケースを含めて以下のようなケースがあり、ケースに応じてマネジメントの有効性の判断ができそうです。

ケース 解説 マネジメントの有効性
目標設定が甘かったケース 当初から簡単すぎる目標を設定していたため、容易に超えた 有効性に問題がある可能性
予想外の好条件が発生したケース 外的要因(市況、競合環境)が改善したり、突発的な好機により計画以上の成果が出た マネジメントが柔軟に機会を捉えた結果であり、有効である
継続的改善や努力の結果で超過達成 現場が非常にうまく改善活動を推進し、予想以上のパフォーマンスを達成した むしろマネジメントとして望ましい状況である

こうしたバリエーションを検討せずに、一律に「超過達成(overachieve)=マネジメントが無効」と判断するのは論理的に無理があるな、というのがぼくの感想ですね。

実際の内部監査で超過達成(overachieve)を見つけたときにはどうすべきか

「目標を超えるパフォーマンスが直ちにマネジメントとしての有効性を否定する証拠になる」と断定するのは、極めて単純化された思考といえます。この姿勢で内部監査に臨み、超過達成を見つけて指摘をすると、監査の現場では被監査者と揉めるのではないかと思いますね。

超過達成に着眼して、その要因を深く調べていくことは、有効性審査の考えに沿うものですが、その際にはケースバイケースでその目標設定が妥当であったかを、証言や客観的証拠をもとに慎重に評価する必要があると思います。

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