おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
4月28日、野党5党は共同で「家賃支払支援法案」を衆議院に提出しました(議員立法)。衆参両院で審議・採決されなければ法として成立はしませんが、成立すれば中小企業として負担の重い家賃に対する支援策となるでしょう。
最新情報
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家賃支払支援法案に関する報道
家賃支払支援法案の概要
国民民主党のホームページにある概要資料を下記に引用します。
1.対象
- 新型コロナウイルス感染症の影響による休業等により売上が令和2年2月以降の一月(筆者注:ひとつき)で対前年比20%以上減収となった中小企業等
- 中堅企業者(資本金10億円以下)、個人事業主、NPO、社団等を含む(持続化補助金(筆者注:ママ)の対象すべてを念頭)
- 対前年比が取れない新規事業者、開業前だが家賃負担が発生している事業者も含む
2.支払猶予
- 日本政策金融公庫に申請し、要件に合致する中小企業者等の、20%減収となった月以降の賃料債務の全部または一部を代位弁済する
- 猶予期間は政令で規定。1年間が念頭だが延長可能
(筆者注:提出後の野党共同のぶら下がり会見によると、2月にさかのぼって適用を念頭においている。つまり、2月から滞納している企業も支援の対象)
3.求償権の放棄
- 公庫の求償権については、社会経済情勢や当該事業者の事業状況等を考慮し、適切に行使又は破棄
(筆者注:提出後の野党共同のぶら下がり会見によると、1年程度猶予するが、その後は返済猶予期間を長くしたり、返さなくてもよくしたりと柔軟に対応するとのこと)
4.家賃減額支援
- 賃貸人(筆者注:大家、家主、オーナーのこと)の賃料債務を減額した場合、賃料債務の減額分の一部を補助する等、国は財政上の措置を講ずる。
(筆者注:提出後の野党共同のぶら下がり会見によると、家賃の8割程度の補助をイメージしているとのこと。神戸市が採用しようとしているスキームと類似)
5.必要経費
- 20%減収となる中小事業者が6割程度とすると、全ての対象者が申請した場合、1年間で約5兆円
(筆者注:提出後の野党共同のぶら下がり会見によると、対象となる企業はすべてで370万社。そのうち6割が20%の減収となったとして、その全てが手を上げたとしたときに、1年間の全部の家賃が5兆円になる。現実的には1兆円程度ではないかとのコメントも)
法案はいつ成立するか
この法案がいつ成立するかは全くの未定です。
まず、野党5党の議員立法ですが、これに関して与党は全く関与していません。衆議院も参議院も与党が過半数をしめていますから、与党の賛同がない限り、早期の成立はないと思われます。
野党5党は「与党の提案を待って修正することもありうる」としていますので、与野党協議の上で法案を見直していくという流れになるのだろうとは思いますが、この議論にどの程度の時間がかかるかはわかりません。
合意をし、法案を議会に提出してから、衆参両院で審議・採択というプロセスが必要ですから、それなりの期間がかかるものと思われます。
一方、政府側としても総理が「ハイブリッド型の支援について、党の検討の結果は政府としてもしっかり受け止める。この状態がさらに延びていけば、さらなる対策も必要となるので、ちゅうちょ無くやるべきことをやる」とも述べています。
今後も進展があれば、当ブログでもお知らせをしたいと思います。