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【速報】事業再構築補助金1次公募は厳しく見ると8割が落第?=中小企業庁

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

経済産業省は5月31日、令和3年度行政事業レビューを行いました。この中で、事業再構築補助金の想定採択件数や、審査の着眼点、および1次公募の傾向についての見解を中小企業庁が述べています。実際の行政事業レビューのもようを記録した動画をもとに解説します。

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動画でも解説しています(無料・登録不要)

令和3年度行政事業レビュー経産省ページおよび動画はこちら

中小企業等事業再構築促進事業(事業再構築補助金)のレビューシート・概要・論点シート

令和3年度行政事業レビュー公開プロセス動画(事業再構築補助金は14:15ごろから)

事業再構築補助金 1次公募の採否に関するポイント4点

行政事業レビューのなかで、事業再構築補助金の採否に関する質疑に関して、当社が把握する限りでポイントは4点ありました。

  1. 中小企業庁は採択予定件数を約67,000社としている
  2. しかしこの予定件数や予算ありきで採択しない。予算が余ることも想定している
  3. 審査の着眼点は大きく見原則て「指針にあっているか」「事業として実現可能性があるか」を厳しく見ている
  4. 1次公募の申請内容を見ると、顧客規模の積算根拠が甘く、厳しく見れば8割は落ちる

この4点については、この後で一つ一つ解説をしていきます。

事業再構築補助金 5回の公募で採択予定件数67,000社

まずは採択予定件数67,000社についてですが、これは行政事業レビューにおける概要資料にも下記のように書かれています。確かに67,000社と書いていますね。

https://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2021/kokai/overview4.pdf

ただし、ここに67,000社と書いているからといって、この社数が必ず採択されるわけではありません。外部有識者である一橋大学の佐藤教授が「67000社にどこまでこだわるのか」という趣旨の質問をしましたが、それについての中小企業庁経営支援部部長の説明は下記のとおりでした。

その67,000社の微妙なところは、あの多分、自分も先生と考えてることは同じではないかというふうに信じております。具体的に言えば67,000社にこだわって採択率を調整する気もありませんし極端なことを言えば、本当に再構築に値するものが出てなければ予算は不要を立てるべき性格のものであると思いますし、あまり足りない足りないというと財政当局に怒られますけれども、中身と是々非々を見ながら。ただ、一応採択者数の想定は作って動かないとですね、5回に分けて採択をするという時など、5回にわたっての不公平感が出てはいけないというところでの見通しの数字というものが必要という観点からも、この数字を活用させて頂いてございます。

令和3年度行政事業レビュー公開プロセス動画より)

このように、数字にこだわって採択率を調整しない。再構築に値しないと採択しないし、予算が不要になるという可能性も含んでいるようです。この想定は、5回にわたって不公平感がでないように設定しているとのことなので、あくまでも運用上のひとつの想定にすぎないことがわかります。

事業再構築補助金 審査での着眼点について

その上で、審査の着眼点について、中小企業庁の部長さんは次のように述べています。

大きくは二つ見てございまして、一つはまず再構築に該当するかというところの指針にいろいろあの、かつて製造してたことがあるといけないとか何をしてたことがあるといけないとか、だいぶ政治的には中小企業の皆さんから厳しすぎるというご指導をいただきましたけれども、かなり経営者の目線から見るとちょっとマリオブラザーズの面をクリアするくらいですね割と厳しいと。ただ書いてみたら意外と良かったという声もビフォーアフターでは頂いておりまして、そこのところは緩めないということは一つ。それからもう一つは審査員の先生方には方向性の是非はともかくとして、ちゃんと事業化できそうな話になってるかどうかというところはよく見てくださいというふうにお願いしてございます。そういうふうに再構築性がきちっとあるかどうかというところと、事業としてフィージブル(実現可能)な、夢物語や何かそういうことを言っているものではないですねいうところは、厳しく見ていただくということで。逆に言えば再構築というような状況でない企業の方のご提案は採択されないようになるように、しっかりと引き続き審査の先生方にもお願いをしていければというふうに思ってございます。

令和3年度行政事業レビュー公開プロセス動画より)

大まかには

  • 指針にあっているか
  • 事業として実現可能性があるか

を厳しく見ているということです。

事業再構築補助金 1次公募における傾向(特に事業の実現可能性)について

この「事業として実現可能性があるか」については、1次公募の申請内容に関して、次のようにも述べています。

ただ正直に申し上げますと私も、1次申請出てきた後、数百にわたって申請書を読ませていただきましたが、若干共通した特徴がございまして、顧客規模の想定の積算根拠が甘い。なぜそれだけのお客さんが取れるんですか?というところについては、厳しく見ると8割落第しそうな勢いであります。

令和3年度行政事業レビュー公開プロセス動画より)

このように、1次公募の申請の傾向としては「顧客規模の積算根拠が甘く、厳しく見れば8割は落ちる」と言っていましたね。要は「本当にこれだけの売上が実現できるの?」という点で、実現可能性が疑われているようです。「厳しく見ると8割落第しそうな勢い」ということですが、これはあくまでも中小企業庁の部長の見解なので、審査員がどう判断するのかはわかりません。

行政事業レビューで中小企業庁が説明していることが、どこまで本音でどこまで建て前なのかはわかりませんけど、額面通りに受け取れば、予算が巨額だからといって、再構築に値しないような申請はやっぱり不採択になる、ということです。申請企業としては、これがやっぱりセオリーなんですが、指針と審査項目をしっかり読み込んで、実現可能性の高い事業計画を練るということに尽きると思います。

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