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ものづくり補助金の審査項目を読む(事業化面③ 優位性、収益性、遂行方法、スケジュール)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今日はものづくり補助金の審査項目のうち、事業化面③について解説をします。

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事業化面とは

補助金をもらって取り組む事業について、採算に乗せる上で取り組むことのうち、技術的な事項ではないことのことです。例えば補助事業で開発したり生産性向上したりする製品を、どのように売るか(販売方法)、どの程度売るか(販売計画)といった面のことです。事業化面の審査は、技術面と異なり、中小企業診断士や税理士、大学教授などが採点をすると言われています。

事業化面③ 審査項目にはどう書いているか

平成29年補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上補助金」公募要領28ページ(2)事業化面②には、次のように書かれています。

補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。

ここでは2つの切り口で記述する必要がありそうです。

・補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性があるか

・事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールは妥当か

補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性があるか

「補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性があるか」というのは、具体的に何を書けばいいかわかりにくい記述です。優位性というのは、他社と比べた優位性でしょうし、収益性というのは「儲かるかどうか」ということでしょうね。

そもそも「補助事業の成果」とは何でしょうか。今回、補助金をもらって成し遂げるものやコト、と言えばいいでしょうか。もともとこの補助金制度は試作開発を念頭に設計されていることもあり、試作品のことを思い浮かべるとわかりやすいかもしれませんね。

例えば、なんだかすごいラーメンを新たに試作開発したとします。そのラーメンは、他社のラーメンとくらべて味や見た目、におい、のどごし等は優れているというのが優位性で、そのラーメンが売れる見込みが収益性と言えるでしょう。

試作品の開発だとわかりやすいのですが、生産プロセスの革新を行う企業はどう書けばよいでしょうか。これはやはり、生産プロセスを見直した結果、QCDが他社に比べてどう優位になるかということを書けばいいでしょうし、その生産プロセスで仕事がもっととれるようになるかというのが収益性でしょう。

例えば、複合加工機の導入により3工程を1工程に集約したとします。チャッキング回数が減ることで、他社と比べてリードタイムも短くなり、チャッキングミスによる不良も削減されるというのが優位性です。これで生産性が上がるので、これまで断っていた仕事も引き受けられるというのが収益性ですね。

あとは具体的な数字などを入れて記入すれば、かなりリアルな情報になると思います。

事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールは妥当か

「事業化」という言葉はものづくり補助金の中での最重要キーワードの一つです。ものづくり補助金における事業化とは、補助事業終了後――つまり設備導入や新製品開発を終えた後5年間で――その事業を軌道にのせる(販売実績と利益を上げるレベルに成長させる)ことをさしています。ものづくり補助金の公募要領の46ページに詳しく解説されていますが、国としては5年間で次の図でいう第3段階にまで成長することを必須目標としています。

ですから、ここで記入が求められるスケジュールも、補助事業終了後5年間のスケジュールを記入する必要があります。補助金をもらい、新製品開発や新生産プロセス開発を行ったあと、誰が、何を、どうやって、継続的に販売をし、利益を上げていくかという計画を示してあげないといけないのです。経営革新計画に取り組んだ人ならばわかるかもしれませんが、経営革新計画の別表2みたいなものをイメージすればいいのではないかと僕は思っています。下記に引用します。

経営革新計画別表2記入例(兵庫県ホームページより引用)

まとめ

  • 補助金をもらって開発する製品や生産プロセスが、他社と比べてこの点が優位であると明示する
  • 補助金をもらって開発する製品や生産プロセスで、自社はこのように収益を上げられると明示する
  • 事業化(継続的に販売を行い、利益を出す)ために、補助事業終了後5年間で誰が何をどのようにやるかの計画を明示する

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