おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015各箇条解説シリーズ、今回は箇条4.4「環境マネジメントシステム」について、2回にわたって解説をします。今回は「環境マネジメントシステム」とプロセスついて解説をします。
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箇条4.4で言及される「プロセス」
箇条4.4で注意を払いたいのは、プロセスという言葉が出てきているところにあります。環境に限らず、品質や情報セキュリティもそうですけれども、ISOのマネジメントシステムというのは、基本的には個々のプロセスをしっかり管理しましょうというお約束があります。
じゃあ環境マネジメントシステムにおけるプロセスというのは、いったいどんなものなんだ?という疑問が出てきますが、これをちょっと説明したいと思います。
環境マネジメントシステムにおけるプロセスとはなにか
製造業をイメージしてもらったらいいんですけれども、なにかモノを作るといっても、いろんなプロセスがあるはずなんですよね。
例えば、まずは生産計画を立てる必要があるでしょう。そして計画にしたがって、原材料を発注して、発注した原材料を受け入れて、現場で製造・加工をしますよね。そして検査をして、梱包をして、出荷をする……という、一連のプロセスをへて、ようやくモノができてお客さんに納められるという流れになりますよね。この一つ一つの工程、作業を、プロセスと考えることができます。
そしてそれぞれのプロセスでは、使うものと、出るものがあるはずです。
例えば製造加工プロセスでは、原材料を使って加工をします。設備をうごかしたり照明や空調も必要です。こうした機器類を使うには電気も使いますよね。機械加工では切削油を使いますし、水を使う場合もあるでしょう。こうしたものを使って、製造加工プロセスで仕事をします。
仕事をした結果、どういうものが生み出されるかというと、当然製品が出来上がります。それ以外にも廃材料が出たり、切り粉や切屑、廃油、排水などが出てきますよね。こうして出されたモノは、別のプロセスに移されて処理をされる場合も当然あります。製品は、次工程の検査工程に回されますし、廃材料や切り粉・切屑は、廃棄物処理のプロセスに回されるでしょう。排水は排水処理プロセスで扱われることになります。
このように企業が仕事をする上では、いろんなプロセスがあり、そのプロセスで環境に関するたくさんのインプットとアウトプットが扱われるはずです。プロセスは単独ではなく、いろんなプロセスが繋がって相互に役割を果たすような関係にもなっているはずですよね。ここで話を箇条4.4の規格要求事項に戻すと、こういうことを念頭に置きながら環境マネジメントシステムを構築しなさい、と言っているんですよね。
環境マネジメントシステムの構築では具体的にどう「プロセス」を意識すべきか
具体的には、この先の箇条6で環境側面を抽出したり評価をする際や、リスク・機会を洗い出したりする際に、こうしたプロセスを意識して抽出や評価、洗出しをしていくというのが一般的でしょう。