おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今回からISO45001の各箇条を解説していきたいと思っています。まずは3回にわたって、ISO45001の規格の全体像をお話したいと思います。2回目の今回はISO45001が階層ごとに求めていることについての解説です。
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ISO45001:2018 規格の構造・全体像 超解説!(1)
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ISO45001における経営者レベルの取り組み
ISO45001が、各階層の人たちに、どういうことをやりなさいと言っているのかを、もう少し具体的に説明をしましょう。
まずは経営者レベルの取り組みです。青い箱で示しています。経営者がまずやることは、自分たちの会社が今、どんな状態にあるかをちゃんと把握することです。これはISO45001の箇条4「組織の状況」で求められていることですね。
そして、それを基にリーダーシップをとりながら、しかも、みんなの意見もしっかり取り入れながら、進めて行きなさいと言っているのが、箇条5「リーダーシップ及び働く人の参加」です。ここまでが経営者レベルでのP(プラン・計画)の部分です。
そして、これらの計画を実行するのが、次のD(ドゥ・実行)です。ここについては後で詳しく説明をします。
実行してみて、結果をチェックするのが、箇条9「パフォーマンス評価」ですね。
そして、必要ならば改善するのが箇条10「改善」で求められていることです。経営者レベルでは、こうしたサイクルと、例えば年1回まわしていくようなことが、経営者がやるべき役目です。
ISO45001における管理者レベルの取り組み
続いて、管理者レベルの取り組みを見てみましょう。オレンジの箱で示しています。こちらは、ISO45001の中心とも言える部分ですね。安全管理者や衛生管理者、または各部門長といった人たちが、具体的な計画を立てて実行するところです。
まず箇条6「計画」では、我が社にはどこに危ないところがあるかというのを特定して、危ないところに対してどう対処するかを計画します。場合によっては目標も作ります。
その計画や目標などに取り組むために必要な人や道具、設備、職場環境、教育訓練などを準備するのが、箇条7「支援」ですね。ここまでが管理者レベルでのP(計画・プラン)です。
こうした計画に基づいて、やるべきことを実行するのが次のD(ドゥ)の部分ですが、ここはISO45001でいうと箇条8「運用」に関する部分です。この箇条8「運用」は、あとでもう少し詳しく説明します。
そして、ISO45001の管理の仕組みが効果を生んだのかどうかを評価して、足りない点や改善点を見つけて改善をします。こういうサイクルを、例えば四半期とか月1回のペースでまわしていくことが、管理者がやるべき役目です。
ISO45001における現場レベルの取り組み
最後に、現場レベルの取り組みを見てみましょう。ピンクの箱で示しています。現場の人たちが中心となる部分ですね。
「こうすれば事故が起きないよね」という具体的なアクションを考えて実行したり、万が一事故がおこったらどうするかというのを先回りして考えておくのが、このレベルでやることです。これもまた、できたかどうかをチェックして、できなかったり足りなかったりしたら改善をします。
この3つの階層が、それぞれ計画→実行→チェック→改善の流れを持っていて、それが入れ子状になっているのがISO45001の大枠です。小さな歯車と大きな歯車が噛み合いながら、何か大きなモノが動いている、みたいな感じでしょうかね。このように、ISO45001は、会社のさまざまな階層での「何をどうすれば良いのか」と「それをどう評価・改善していくのか」というサイクルをきちんと回していくためのルールというわけです。