おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ものづくり補助金の公募類型に「革新的サービス」というものがあります。一般的には採択企業に製造業が多いイメージのあるものづくり補助金ですが、商業やサービス業も「革新的サービス」という類型で応募が可能です。しかしこの「革新的サービス」の採択率はどの程度なのでしょうか?
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「革新的サービス」の類型ができたのは平成25年度補正から
「革新的サービス」の類型が作られたのは平成25年度補正予算で実施された公募からです。ものづくり補助金は平成24年度補正で行われたものが最初なのですが、24年度は製造業だけが応募できたのですね。「ものづくり補助金」という名称が一般的に普及しているのも、もともとは製造業向けの補助金であった名残かもしれません。
平成25年度から、非製造業も応募できるようになったのですが、審査項目を見ると、平成24年度も25年度も変わらないのです。つまり、もともと製造業向けに設計された制度を後付的に商業・サービス業に適用しているということですね。
当社(マネジメントオフィスいまむら)の「革新的サービス」の採択率
まずは当社(マネジメントオフィスいまむら)の「革新的サービス」の採択率をお伝えします。ものづくり技術と比べると顕著に低い採択率です。「お前がサービス業を知らないからだろう」という声が聞こえてきそうですが?、まあそれもあるとは思いますが、一人の同じ人間が対応してこの差です。
ちなみに当社の支援の大半は、兵庫県もしくは大阪府です。この2府県で9割以上は占めています。
応募件数 | 採択件数 | 採択率 | |
ものづくり技術 | 71 | 61 | 86% |
革新的サービス | 18 | 9 | 50% |
神奈川県のケースではどうか
公には「ものづくり技術」の採択率と「革新的サービス」の採択率は公表されていません。しかし、ある情報から推測することができます。それは採択企業一覧の「受付番号」です。下図の赤線を引いたものがそうですね。
この受付番号の命名規則はおおむねわかっています。先頭2文字が実施年度(平成29年度ならば29)。次の2桁が都道府県(上記の表であれば山形県が06、福島県が07)、次の1桁が1次公募か2次公募かを示しています(上記の表であれば、1次公募なので全て1になっている)そして下5桁が、都道府県の企業ごとに一意に割り当てられる番号です。
ところが神奈川県の場合、下5桁をさらに分類しています。これは僕の独断と偏見ですが、平成29年度では次のような分類ではないかとみています。
- 2914110xxx ものづくり技術
- 2914111xxx 小規模
- 2914112xxx 革新的サービス
- 2914113xxx 企業間データ活用
神奈川県の平成29年度の類型別採択率(推測)
この推察をもとに、平成29年度のそれぞれの類型の採択率を推察してみましょう。(推察方法は下記のリンクを参照してください)
応募件数 | 採択件数 | 採択率 | |
ものづくり技術 | 428 | 257 | 60.0% |
小規模 | 133 | 73 | 54.9% |
革新的サービス | 71 | 34 | 47.9% |
企業間データ連携 | 2 | 1 | 50.0% |
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【平成29年度ものづくり補助金1次公募分析】都道府県別の採択率を推測してみる
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 今日は、平成29年度ものづくり補助金1次公募の結果分析をしてみたいと思います。都道府県別の採択率を推測してみました。 もくじ Togg ...
いかがでしょう。革新的サービスは少し低い採択率のように思えますね。
神奈川県の平成28年度の類型別採択率(推測)
同様に、昨年度も見てみましょうか。
応募件数 | 採択件数 | 採択率 | |
ものづくり技術 | 201 | 470 | 42.8% |
革新的サービス | 55 | 158 | 34.8% |
どうでしょう。革新的サービスは平成28年度も低いように見えますね。
香川県の場合
神奈川県と同じように、香川県も応募類型ごとに命名規則を設定しています。香川県のケースを見てみましょう。(分類や件数の推測は僕の独断と偏見です)
香川県の平成29年度の類型別採択率(推測)
応募件数 | 採択件数 | 採択率 | |
ものづくり技術・小規模 | 182 | 126 | 69.2% |
革新的サービス | 33 | 22 | 66.7% |
企業間データ連携 | 2 | 1 | 50.0% |
こちらはあまり変わりがありませんね。
香川県の平成28年度の類型別採択率(推測)
応募件数 | 採択件数 | 採択率 | |
ものづくり技術・小規模 | 119 | 46 | 38.7% |
革新的サービス | 37 | 17 | 45.9% |
IoT | 25 | 11 | 44.0% |
香川県の平成28年度は、革新的サービスのほうが採択率が高い可能性があります。
「革新的サービス」の採択率は都道府県によって傾向は異なると考えられる
以上のことから、サンプルが少ないので断言するのは難しいのですが、「革新的サービス」の採択率の傾向は、都道府県によって異なる可能性があります。審査員にサービス業の経営革新に詳しい人がいるかどうかという、都道府県ごとの体制に関係しているのかもしれませんね。