おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
先般公表された「新しい経済対策」や各報道によると、複数年にわたり継続的に実施できる補助金施策のようなものが来年から実行されそうです。報道されている内容などを踏まえて、どのような施策なのかを見立ててみたいと思います。
スポンサーリンク
「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」の内容はこちらから
新しい経済対策における中小企業対策の説明の中に、下記のような記述がありました。
生産性向上に資する取組への支援として、革新的な製品・サービス開発のための設備投資支援や、小規模事業者に特化した販路開拓支援、ITツールの導入支援等を複数年にわたり継続的に実施する仕組みを構築し、国として必要な財源を確保する。
「ものづくり補助金」「IT導入補助金」は、複数年で予算を確保する
従来、(特に補助金施策は)単年度予算で執行されるために、補助事業も短期間で終了しなければならないという制約があります。それが複数年にわたって継続的に実施する仕組みを構築するということなのですが、これはどういうことでしょうか。
これについて12月6日付けの日刊工業新聞では次のように記事を書いています。
中小企業の設備投資、販路開拓、ITツール導入などを支援する「ものづくり補助金」「IT導入補助金」は、複数年で予算を確保する。
従来の「ものづくり補助金」などとは別に基金の創設
この基金について、12月3日づけの日刊工業新聞では、次のような記事が掲載されました。
この基金は消費増税や最低賃金引き上げ、2020年度からの働き方改革、検討が進む厚生年金の適用範囲拡大など、大きな転換期を迎える中小企業を支援するのが目的だ。
自民党政務調査会は11月にまとめた経済対策に関する要望で、事業環境変化に対応する中小企業への「将来的な支援」の観点から、繰り越し可能な基金の検討を盛り込んだ。これを受け政府は、補正予算での措置が主体の「ものづくり補助金」などとは別に、基金の創設を進める考えだ。
この記事を素直に読むと、従来どおり「ものづくり補助金」は補正予算で執行しながら、複数年にわたる基金ベースの補助金施策を別途展開する、というふうにも解釈できそうです。
基金の規模は3,600億円
日刊工業新聞には基金の規模は明記されていません。ところが共同通信の記事によると、その規模は3,600億円程度と見られています。
政府は5日、生産性向上に取り組む全国の中小・零細企業を支援するため、約3600億円の基金を創設する方針を固めた。
3,600億円規模とは、かなり大きいですね。経済産業省の中小企業対策予算は、平成30年度補正予算で1,930億円程度、令和元年度当初予算の概算要求で1,386億円程度です。つまり、年間の国の中小企業対策予算が3,300億円程度ですからそれを上回る規模だと言えそうです(まあ複数年の運用で総額3,600億円なんでしょうけどね)。
この3,600億円の基金に加えて、毎年1,000億円規模の(単年度予算での)補助金施策が実行されるのでしょうか。そうであれば大盤振る舞いですね。そんなおいしい話があるのか……と勘ぐりたくもなりますが、続報を待ちたいと思います。