おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
昨日(2/3)、九州経済産業局主催の「令和2年度税制改正説明会(経済産業省関連)」及び「これから使える補助金等施策説明会」が行われました。まずは「令和2年度税制改正説明会」にて話されたことをかんたんにまとめました。
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税制改正の柱
税制改正の柱は下記の4つ
- オープンイノベーション投資を始めとする成長投資の促進
- グローバル化や働き方改革の進展への対応
- 新陳代謝等を通じた中小企業の生産性向上
- 自由化のもとでのエネルギー安定供給の確保
1.オープンイノベーション投資を始めとする成長投資の促進
業種を超えた連携によりイノベーションを実現する必要性。日本企業はオープンイノベーションの実施率が低い。おもいきった投資を促す仕組みができないかという背景から生まれた。
- オープンイノベーション促進税制
- 措置:出資額の25%を所得控除・スタートアップへの投資を促す。・設立後10年未満の未上場企業が出資を受ける企業の要件・発行済株式の取得は対象外
- 国内設備投資要件の強化
- 賃上げや設備投資に積極的でない大企業に対してキャッシュアウトを促す
- 租税特別措置の適用要件の見直し→大企業の国内設備投資額が登記の減価償却費の3割の金額を超えること
- 賃上げ・生産性向上のための税制
2.グローバル化や働き方改革の進展への対応
- 5G投資促進税制
- 措置:主務大臣の計画認定があれば、税額控除15%、特別償却30%
- 全国のキャリア、ローカル5G事業者(スマート工場など限られたエリアで通信インフラを整備して活かす企業)が対象
- 計画の認定が必要になると思われる
連結納税制度見直し
- 連結納税にあたり、グループ会社全体として申告するのではなく、個別申告方式への見直し
- 税務署でも事務処理負担になっていた。修正が入るときに全体に影響が及ぶことを避ける。修正が発生した法人だけでの修正に留める。
- 令和4年4月1日以降に開始する事業年度から適用
自社株式等を対価として株式取得による事業再編の円滑化措置(創設はまだ。引き続き検討事項)
- 日本では自社株式を対価としてM&Aができなかった(産業競争力強化法の認定があることが前提)。
消費税の申告期限の延長の特例
- 働き方改革関連法案の施行にともない、消費前も法人と同様に申告期限の1ヶ月延長が認められることに
- 消費税は延長の措置がなかった。消費税申告を5月末におこなうため、同時期までに法人税の申告調整も行う必要があって負担だった
4.自由化のもとでのエネルギー安定供給の確保
- 電気供給業に対する法人事業税の課税方式の見直し
- 歴史的に電気・ガス業は規制があったが、自由化・競争がすすんできたので、一般の事業(所得割+外形標準課税)と同一条件とする
- 電気については法人事業税収入割1.3%を、収入割8割(1.05%)、外形標準課税2割とする(ガスも基本的に同様の考え)
3.新陳代謝等を通じた中小企業の生産性向上
- 税制改正でいうと「裏年」にあたり、拡充・延長が多い中小企業向け3本柱
地域におけるイノベーション・創業の促進
オープンイノベーション促進税制
- 中小企業からの出資は1,000万円以上
エンジェル税制の要件緩和
- 対象企業要件を、設立後3年未満から5年未満へ改正
- 経済産業大臣認定制度の拡充
- 認定ファンドおよびクラウドファンディングを通じた投資の促進
- 申請手続きの簡素化
- 措置:株式投資額の所得控除による減税、株式投資学の株式譲渡益からの控除による減税
設備投資・販促等を通じた生産性向上支援
- 少額減価償却資産の特例の延長
- 30万円未満の減価償却資産取得の場合は、即時償却可能な制度を2年間延長(合計300万円まで)
- 連結納税制度適用事業者及び従業員500人超の法人を除外する
交際費課税の特例の延長
- 800万円まで交際費は損金できる(延長)
- 上記特例措置と、接待飲食費の50%までの損金に参入できる措置との選択適用が可能
中小企業の事業再編の促進
- 中小企業。小規模事業者の再編・統合等にかかる税負担の軽減措置の延長
- 経営力向上計画の認定があれば、再編・統合の際の登録免許税・不動産取得税を軽減(2年延長)
その他(制度紹介)
- 設備投資を支援する税制措置(経営力向上計画、中小企業投資促進税制、商業・サービス業活性化税制)
- 先端設備等導入計画
- 事業継続力強化計画
法人版事業承継税制
- 対象株式数の上限撤廃
- 納税猶予割合100%に拡大
- 雇用要件未達成の場合でも猶予を継続可能に
個人版事業承継税制
- 10年間限定。事業用資産の承継にかかる相続税・贈与税を100%納税猶予
賃上げ支援強化(所得拡大促進税制の拡充)
- 基準年度H24年度との比較要件は撤廃。前年度比に
- 継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加
後日、「これから使える補助金等施策説明会」のまとめを当ブログで報告します。