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2020年実施ものづくり補助金では、売上がどの程度伸びたら賃上げが必須になるのか(簡易シミュレーション結果のおすそわけ)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2020年実施ものづくり補助金では、付加価値額の伸び率が3%以上ならば年率1.5%の賃上げが申請要件です。付加価値額で言われるとあまりピンとこないので、売上がどの程度伸びたら賃上げが必須となるのかを簡易にシミュレーションしました。(あまり大した内容がある記事ではありません)

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計算の前提条件

前提条件

  • 従業員数20名仮定
  • 売上高3億円と仮定
  • 売上総利益率20%、営業利益率10%、経常利益率9%と仮定
  • 2,000万円の設備投資を1年後、2年後、4年後にすると仮定
  • 上記の投資にともない、それぞれの年に2,000万円の借入すると仮定
  • 一人当たり人件費400万円。毎年1.5%ずつの賃上げを行うと仮定
  • 新規採用も退職もないものと仮定
  • その他の計算ロジックは割愛します(企業秘密でもなんでもないのですが、説明がややこしいからです)

5年後の付加価値の伸び率が15%となる場合(年率3%の付加価値額向上を達成の場合)

まずは年率3%の付加価値額向上を達成するケースです。このケースですと、総支給額の1.5%の賃上げが必要です。下記のような結果となりました。売上高も5年間で15%ほど向上させる必要が出てきます。結構な売上の増加です。

この時、人件費が5年後の単年度で600万円増加しています。1年後~5年後にかけて、毎年年率1.5%ずつあがっているので、5年間に増加した分の合計は1,800万円になります。

ご覧のように、賃上げをしつつも営業利益率が当初よりも改善するということは(机上の計算ではありますが)ありえる話です。特にこのものづくり補助金においては「革新的な取り組み」によって「生産性を大幅に向上」させるものが採択される傾向にありますので、その算段があるならば、賃上げ要件を受け入れることは不可能ではないと考えます。

直近期末 5年後
2020年3月期 2025年3月期
売上高 300,000,000 345,257,193
営業利益 30,000,000 39,766,866
営業外費用 3,000,000 2,595,601
経常利益 27,000,000 37,171,265
対前年伸び率(%) 37.6%
人件費 80,000,000 86,000,000
減価償却費 9,000,000 11,185,154
付加価値額 119,000,000 136,952,020
付加価値額伸び率(%) 15.0%

5年後の付加価値の伸び率が7.4%となる場合(年率1.5%の付加価値額向上を達成できず、賃上げが免除されるケースの場合)

つぎに、付加価値額増加率が年率平均1.5%に達しない場合のケースです。このケースだと、総支給額の1.5%の賃上げが免除されます。そのケースをシミュレーションすると、下記のような結果となりました。この売上高の伸びを下回る場合は、賃上げする必要はありません(したがって、下記の結果では賃上げは考慮していません)。

とてもラフな計算であり、根拠に乏しく、これを鵜呑みにすることは危険だということを承知で、目安として申し上げますが、5年後の売上額が直近期末よりも7.4%以上増加するならば、賃上げの必要がある(賃上げをしなければ補助金の返還対象となる)ということが、この計算結果のみからはわかります。

直近期末 5年後
2020年3月期 2025年3月期
売上高 300,000,000 322,231,103
営業利益 30,000,000 36,633,184
営業外費用 3,000,000 2,595,601
経常利益 27,000,000 34,037,583
対前年伸び率(%) 26.0%
人件費 80,000,000 80,000,000
減価償却費 9,000,000 11,185,154
付加価値額 119,000,000 127,818,338
付加価値額伸び率(%) 7.4%

個々の企業の財務構造によって結果は変わるので、必ず自社でシミュレーションをしましょう

当社のシミュレーションでは、たまたま売上高の伸び率と付加価値額の伸び率が同程度になりました。まあ、付加価値額の元となる営業利益は、売上とはある程度相関するので当たり前といえば当たり前です。その上で僕が意図的に売上高とある程度比例するようにシミュレーションしましたからね。実際は売上高の伸び率と付加価値額の伸び率は必ずしもイコールにはなりません。とくに大幅に生産性が上がるような取り組みをした局面であれば、売上以上に付加価値額が伸びることもあります。

めちゃめちゃラフな見積としては、売上の伸び率をもって付加価値の伸び率とみなすことも、ある程度の目安にはなるでしょうけど。

ですので、自社の状況にあわせてこのようなシミュレーションを必ず行った上で、ものづくり補助金へ申請をするか否かの判断をすることをおすすめします。

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