最近Amazonで見かけて、気になっている組織論に関する書籍があります。
この本のキャッチフレーズがまたセンセーショナルなんです。
次の組織モデルは、これだ。
上下関係も、売上目標も、予算もない!?
従来のアプローチの限界を突破し、
圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。
膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。
ね?上下関係も売り上げ目標も予算もない組織なんて、常識はずれですよね?でも、こういう組織のほうが実はうまくいくんじゃないかな……という思いが僕の中にもあったので、それが言語化・理論化されているのであれば、これは読むしかない!と思っています。
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目標や上下関係や予算がなくてうまくいくのか?
絶対にうまくいくというわけでもないですし、目標や上下関係や予算が必要な局面も確かにあると思うんですよ。ただ、そういう従来の経営に必要だと言われていた要素が絶対必要不可欠か……といわれると、なんとも言えないなあと感じてきました。
例えばですけど、僕は環境整備(5S活動)の支援をいろんな会社でやっています。一般的には環境整備の目標は「きれいにすること」ですし、それを確実にするには、やるべきことの明確化(目標設定)やトップ・上司によるチェック、助言などを入れるのがセオリーなわけです。しかし、そういう仕組みを作り、現場巡回や研修や啓発を繰り返したとしても、必ずしも組織は環境整備に向かって一直線に走るわけでもありませんし、職場がきれいになるわけでもありません。現場は巧妙に言い訳を繰り返しながら、一進一退を繰り返す、というのがおおよそどこの会社でも当てはまることではないかと思います。
一度、管理レスの5S活動を導入したことがあった
そういうやり方ではうまくいかなかったので、試行錯誤の結果、「管理レス」の5S活動を導入したことがありました。難しい目標やらチェックやらは一切抜きにして、5分だけでいいので自分のできる範囲で、好きな活動を自由にやっていいよ、というやり方にしたのです。上司のチェックもほとんどしませんでした。実行したかどうかだけは自己チェックをしてもらいましたが、本当にやっているかどうかまで追跡調査することはしませんでしたし、「本当はやっていないのにチェックをつけていても責め立てない」とこちらで腹をくくって実施したのです。
するとその組織では、みるみるうちに5S活動が浸透しました。5分程度の活動で、自由裁量に任せているので、職場がきれいになるペースも非常に遅いものです。しかし従業員は楽しそうに5Sに取り組み、それが日々継続し、ひいては「5Sをやって楽しい」「自分の居場所ができた」などのことばが聞かれるばかりか、それに従って顧客満足度が急上昇もしました。そしてこの結果には、僕自身はもちろん、その企業の経営者も非常に驚いたものでした。
現場起点、管理レスという考えは昔からある
こういう考えは比較的昔からあります。例えば、ヘンリー・ミンツバーグは「双発的戦略」といって、あらかじめ入念な計画をもとに戦略を立てるのではなく、日々の業務遂行の状態をみながら、その都度、適宜に、戦略を立てる方法を推奨しました。これは行き当たりばったりを礼賛しているのではなく、ITやらグローバル化やらで変化の激しい現代では、精度の高い戦略は立てられないので、現場のフィードバックを得ながら、マネジメント層も柔軟に対応する必要性を説いたものでした。
一方、従業員の観点でも、一握りのトップや経営層が定めた戦略・計画に縛られることを必ずしも望みません。多様な目的や動機をもった人々が同じ組織で働く現代の先進国では、一つの理念・目標・計画に向かって、すべての従業員が足並みをそろえることは難しいでしょう。それを強いると反発も起きますし、奇しくもグーグル社が「もっとも生産性の高い職場は、安全性の高い職場であった」という調査結果を打ち出したこととも、このような考え方と一致するものだと思います。
つまり、多くの人は他人から縛られることなく、自分が好きなようにやりたい気持ちをもっているのです。僕だってそうです。でなきゃ独立なんてしません。
トップの意向を押し付けるのではなく、人々の持つ「好きにやりたい」という気持ちを尊重しないと、これからの組織は立ち行かなくなる――そんな思いを持っていたところに「ティール組織」を目にしたわけです。
早く読んでみたいのですが……目の前の仕事に追われていて……ウウッ?
(読んだらいつかレポします)