おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
9月28日、日刊工業新聞は、経産省の2021年度当初予算の概算要求について報じました。記事によると、中小企業対策としての要求額は1,420億円で、2020年度当初予算比27.8%の増額です。ものづくり補助金(高度連携事業)の予算も倍を要求するようです。
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日刊工業新聞記事『2021概算要求/経産省、中小対策に1420億円 事業承継・再編支援』
日刊工業新聞記事によると、2021年度当初予算は新陳代謝・生産性向上・デジタル化を大きな柱に据え、低成長からの脱却を図ることを目的としているようです。該当の日刊工業新聞記事はここから閲覧できます。(全文の閲覧にはユーザー登録が必要です)
下記に、2021年度当初予算として要求される施策について概略を解説します。あくまでも概算要求の段階であり、予算は最終的に修正される可能性がありますので、ご注意ください。
事業承継・再編を支援する補助金の新設
記事には「事業承継を契機とした設備投資や第三者承継にかかる専門家活用を支援する事業承継補助金」とあります。
近年では、補正予算で「事業承継補助金」が公募されていますが、これとどう異なるのかは定かではありません。記事にある設備投資や専門家への謝金は、現行制度でも対象です。これは根拠のない邪推ですが、補正予算で執行されていた「事業承継補助金」が当初予算で執行されるのかもしれません(もちろん全く違う制度になる可能性もありますが)。
「ものづくり補助金(高度連携促進事業)」の予算倍増
「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」とは、複数の中⼩企業・小規模事業者等が、事業者間でデータ・情報を共有し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援する施策です。一般的に「ものづくり補助金」と呼ばれている、単独企業が申請可能であり、補助上限額が1,000万円の施策とは異なることに注意してください。
「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」は例年、当初予算で執行されています。平成31年度当初予算で50億円でしたが、令和2年度は概算要求時点で69.9億円を要求していたにもかかわらず、最終的には大幅に減額となり、10.1億円の予算でした。その「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」について、21.5億円の要求をするようです。
これでも平成31年度当初予算の半分以下ですし、令和2年度のように最終的には減額される可能性もあります。倍増なのは、あくまでも要求額であることに注意してください。
サポイン事業の予算増額
中小企業・小規模事業者が大学・公設試等と連携して行う、ものづくり基盤技術の高度化につながる研究開発やその事業化に向けた取組を最大3年間支援するものです。かなり昔から実施されている定番施策です。
令和2年度予算では、地域未来投資促進事業費のうちの一事業として予算が確保されました。
中小のM&A(合併・買収)を促す税制の新設
令和2年度も、後継者不在の中小企業について、株式・事業の譲渡やM&Aを通じた親族以外の第三者への事業承継を促進するための税制が創設されました。来年に新たに創設されるM&A税制は、もしかしたら下記の記事に書かれている内容のものかもしれません。下記の記事によると、手元に現金を持たなくても自社株で買収をしやすくするための措置が検討されているようです。
「地域未来デジタル・人材投資促進事業」の新設
新たに「地域未来デジタル・人材投資促進事業」として30億円を要求するようです。この制度は、地域未来牽引企業を中心としたデジタル化や、若者の地域企業への移動を支援するものだそうです。地域未来牽引企業とは、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼす事業者の推薦選定制度です。選定されると補助金の加点等のメリットがあります。
この地域未来牽引企業は、昨年から選定メリットを手厚くしようという動きが経済産業省にあります。おそらくその一環として、選定企業を対象とした補助金施策がおこなわれるのだと思われます。
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経産省が「地域未来牽引企業」を強化。各種補助金で優先採択の予定
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 先日、日刊工業新聞に「経産省が『地域未来企業』に補助金を優先採択」という記事が出ました。10月から「地域未来牽引企業」の制度が強化され ...
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