おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
5月12日、令和3年度当初予算である「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」の公募が開始されました。現在公募中の「ものづくり補助金(一般型・低感染リスク型ビジネス枠)」とは別事業です。主だった点を紹介します。
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経産省およびJGrantsでの告知ページはこちらです
主だった注意点
- 企業間連携型では2者~5者、サプライチェーン効率化型では2者~10者の連携が必要です(1社のみの応募はできない)
- 現在公募中の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(一般型・低感染リスク型ビジネス枠)」とは別事業です
- 公募期間は令和3年5月12日(水)~7月7日(水)17時
- 補助対象経費は機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
- 事業実施期間は交付決定日から令和4年2月15日まで
- 申請はJGrantsのみ
2つの申請類型「企業間連携型」「サプライチェーン効率化型」について
公募要領や経産省の予算PR資料などから、2つの申請類型について概説します。
企業間連携型
- 補助上限額:2,000万円/者、 補助率 中小 1/2以内 小規模 2/3以内
- 複数の中小企業・小規模事業者等が連携して行う以下のプロジェクトを最大2年間支援します。
① 事業者間でデータ・情報を共有し、連携体全体として新たな付加 価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクト
② 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けて、連携して新しい事業を行い、地域経済への波及効果をもたらすプロジェクト - <想定される取組例(イメージ)>
・地域の同業他者で顧客情報や在庫情報等を共有するシステムを構築し、経営資源をシェアリング
・地域経済牽引事業計画の承認を受けた食品加工事業者とワイナリー事業者が、特殊食品加工機を導入し、連携して地域特産のぶどうを活用した新商品開発に取組み、観光客誘致及び地域の観光産業を活性化。
サプライチェーン効率化型
- 補助上限額:1,000万円/者、 補助率 中小1/2以内小規模 2/3以内
- 幹事企業・団体等(大企業含む)が主導し、中小企業・小規模事業者等が共通システムを全面的に導入し、データ共有・活用によってサプライチェーン全体を効率化する取組等を支援します。
- <想定される取組例(イメージ)>
・サプライチェーンを構成する事業者間で受発注情報や在庫情報を共有するネットワークシステムを構築し、業務を効率化
・生産管理システムを導入して各工場の生産プロセスを効率化
ものづくり補助金一般型・低感染リスク型ビジネス枠との主な違い
- 一般型・低感染リスク型ビジネス枠は基金形式のため通年公募で公募が何度もあるが、高度連携はおそらく1回のみ(あったとしても2回)
- 事業実施期間が一般型・低感染リスク型ビジネス枠は交付決定から10か月であるが、高度連携は令和4年2月15日までで、おそらく実質的には半年程度しかない
- 審査項目が若干異なる
- 加点項目(政策加点)が異なる
どのくらいが採択されるか
平成31年度予算での高度連携の採択率は応募件数ベースで69.1%(応募件数ベースで139件中96件の採択)、令和2年度当初予算での高度連携の採択率は39.2%(応募件数ベースで74件中29件の採択)でした。
予算額としては、令和2年度当初予算が10.1億円、令和3年度当初予算(今回公募の予算)が10.4億円ですので、採択件数は令和2年度並になると思われます。事業実施期間も非常に短い上、本補助金は連携体での申請・交付になります。この短い期間内に連携体で足並みをそろえることは非常に困難が伴うと思われます。したがって、申請者数も少なく、採択者数も少ない、という結果になるのではないかとみています。