おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO9001:2015 各箇条解説シリーズ、今日は9.1.3「分析及び評価」を解説します。監視や測定が目的になるのではなく、とったデータを評価をして、改善に結びつくような収集や分析をしなさいといっている部分です。
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箇条9.1.3「分析及び評価」の位置づけ
ではまず、箇条9「パフォーマンス評価」における9.1.3「分析及び評価」の位置づけから見ていきましょう。
箇条9「パフォーマンス評価」は、品質マネジメントシステムが、本当に成果を生んでいるか、うまく機能しているかをチェックする部分でしたね。今日お話する箇条9.1.3は、監視、測定の結果、得られたデータや測定値を活用して、品質マネジメントシステムの改善につながるような分析結果が得られるようにしなさいと言っています。
そもそも「分析」と「評価」って?
そもそも「分析」と「評価」ってどういう意味だったでしょうか。これは前回もお見せした図ですが、分析というのは、簡単にいうと、何かの性質や構造を調べることです。
例えばですが、製造現場での不適合の状況を監視や測定をした結果として、不適合処置一覧表みたいなものを作るとしますよね。でもこの表にまとめただけだとよくわかりませんので、いろいろとデータをいじります。例えば、作業者別に不適合の数を集計したらどうなるだろうか?と考えて、作業者別にグラフにまとめたとすると、どうも不適合を出したのはダントツで今村さんだということがわかりますね。こんな感じで、何かの性質や構造を深掘りしていくというのが分析です。
分析ができると、いろいろと見えてくるものがありますね。今村さんが現場の不適合をダントツに出しているのならば、イマムラさんを集中的に教育訓練して、スキルアップを図ってもらおう、という考えが浮かびますよね。このように、何かを考えてみて、意見やアイデアを出すことが評価だと言えそうです。
箇条9.1.3「分析及び評価」の要求事項
その上で9.1.3の要求事項を見ていきましょう。
これは9.1.1からの続きのようなものですね。9.1.1では、監視や測定、分析、評価の対象や時期や方法を決めなさいという要求事項でした。そこで決めたことを実行しなさいといっていると考えるとよいでしょうね。
そして9.1.1でもそれとなく書かれていましたけれども、監視や測定をして終わり、というのはでなく、監視や測定によって得られるデータを分析・評価して、改善につなげなさいと言っています。
そして、分析・評価をした結果を、どう使うかということが、a)からg)までにかかれています。このa)からg)までに書かれているのは、分析・評価の目的でもある、といえそうですね。
製造やサービス提供に関するデータをとって、それを分析して、改善に役立てるということをやってれば、当たり前にこのa)からg)のどれかに該当するような分析や評価になるはずですから、あまり深く考えすぎなくてもいいんじゃないかとは個人的には思いますね。大切なのは、データをとって満足するのではなく、ちゃんと改善につながるようにデータを活かしなさい、ということです。そしてそのデータの使い道としてa)からg)があるので、参考にしてね、ということなんだろうと思います。
監視や測定が目的になっちゃうような運用はダメと覚えておいてください。最終的に改善に結びつかないデータの収集や分析というのは意味がありませんからね。改善に結びつくように評価までしっかりとおこなうことを規格も求めています。