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ISO14001 ブログ

ISO14001:2015の規格の構造・全体像 超解説!(その1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今回からISO14001の各箇条を解説していきたいと思っています。まずは2回にわけて、ISO14001の規格について、図を使って規格の構造、全体像を解説したいと思います。

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会社の中では、役割に応じて、仕事が異なるのが一般的

大雑把にいうと、会社を経営するということ、会社で仕事をするということは、ピラミッドのようなイメージで表すことができると思います。

まずこの青い三角形は、経営者レベルでのお仕事です。社長や取締役、部長さんなんかが携わる仕事ですね。この人達に特に求められている仕事とは「経営の目的を実現するために、大まかにどういうことをしたらいいか」ということを考えることです。

経営の目的というのは、一般的には経営理念や経営ビジョン、もしくは中期経営計画などとして表されるものですね。こうした目的を達成するにあたり、経営層は戦略や戦術を練ったり、現場が働きやすいような環境を整えたりします。

つぎの部分、青の三角形の下にあるオレンジの部分は、管理者レベルでのお仕事です。部長さん、課長さんあたりに求められているお仕事でしょうかね。もちろん中小企業だと、社長さんが自らこのあたりまで踏み込むこともよくあります。

ここでは、経営者たちが決めた大まかな取り組みをもう少し具体的にすることが主なお仕事です。製造部としてはどうするか、営業部としてはどうするかという部門レベルでの取り組みもあるでしょう。

そして一番下の部分が、現場レベルでのお仕事です。これは現場の第一線の皆さんの日々の仕事に関することですが、現場で仕事をする上で、具体的に何をどうするかという手段、方法を考え、実践するのがお仕事ですね。

会社の中では、役割に応じて、このように仕事が微妙に異なっているはずです。そしてこの3つの階層を串刺しにするようなイメージで、個別の取組がいろいろあります。

例えば品質管理もTQMなどに代表されるように、経営者、管理者、現場レベルでのそれぞれの取組があります。安全衛生についても同じことが言えそうですね。

そして今回のテーマである環境も、3つの階層にかかわる個別の取組です。つまりISO14001は、この3つの層をすべて網羅して、その上で「環境」というテーマに絞って、それぞれの階層での仕事のやり方を定めた、世界標準なんですね。ISO14001には、それぞれの階層でやるべきことが書かれていて、そのやるべきことについてPDCAというものを回していくことが求められています。

ISO14001における階層別の役割

さきほど、ISO14001では、会社の中のそれぞれの階層でやるべきことが決まっていて、それについてPDCAを回していく必要があるといいました。それが具体的にどういうことなのかを説明したいと思います。

まず経営者レベルとしてやるべきことが何かということですが、まずは青い四角で示したいと思います。これが経営者のやるべきことですね。

まず最初に、ISO14001に基づく環境管理の仕組みをつくるにあたって、いま会社を取り巻く状況がどうなのかというのを分析するのが、ISO14001の箇条4「組織の状況」です。会社の内外で何が起きているか、お客さんからどういうことが求められているかといったことは経営者は知っておかないといけませんよね。

そうした状況を踏まえて経営者はリーダーシップを発揮しないといけません。これがISO14001の箇条5「リーダーシップ」です。これは組織が一丸となって経営の目的達成に取り組む準備にあたります。ここまでが経営レベルのP、プラン、計画の部分ですね。

そして計画したことを実行するのが次のドゥの部分ですが、ここがISO14001による管理の仕組みの本体と言ってもよいでしょう。これについては後で詳しく説明をします。

ISO14001による管理の仕組みを実践したら、それが本当に環境に関する経営の目的達成につながったかどうかという評価をするのが、箇条9「パフォーマンス評価」です。なにか足りなかったり、失敗したということがあれば、もっとよくやるための改善をする必要がありますが、それが箇条10「改善」に該当します。こういうサイクルを、例えば年1回のペースでまわしていくのが経営者としてやるべきことです。

次に管理者レベルとしてやるべきことを見てみましょう。これはオレンジの四角で示しますが、これがISO14001による管理の仕組みの本体ですね。

オレンジの箱は、管理者(環境管理責任者や各部門長等)が主にやるべきことで、環境管理全般に関する計画を立て、実行し、見直しをするという一連のサイクルです。

ISO14001箇条6「計画」で、リスク・機会や環境に関する法令を考慮しながら、環境に関する計画や目標を定めます。その計画・目標などに取り組むために必要な人や道具、設備、職場環境などを準備します。ここまでが管理者レベルでのプランにあたります。

こうした計画に基づいて、やるべきことを実行するのが次のドゥの部分ですが、ここはISO14001でいうと箇条8「運用」に関する部分です。この箇条8「運用」は、あとでもう少し詳しく説明します。

そして、ISO14001の管理の仕組みが効果を生んだのかどうかを評価して、足りなかったり失敗したことがあれば、もっとよくやるための改善をします。これは経営者のサイクルと同じですね。こういうサイクルを、例えば四半期とか月1回のペースでまわしていくのが管理者としてやるべきことです。

そして最後、現場レベルとしてやるべきことですが、これはピンクの四角で示します。

ピンクの箱は、現場担当者、現場の第一線で働く人たちが主にやるべきことで、環境に関するパフォーマンスの向上、環境法令の順守、環境目標達成のために、現場レベルで「具体的にこういうことをやろう」と決めて実行することに該当します。

現場で実行する具体的な手順などを確立して実施していくわけですが、それだけではなく、計画に変更が合った場合にどういう管理をしないといけないか、外部委託したプロセスの環境側面についてどう管理をするかなどについても取組が求められています。

こうした3つの階層ごとに、それぞれのPDCAが、いわば入れ子状になっているような形だと考えると、わかりやすいでしょう。これがISO14001の規格で要求されていることの全体像です。

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