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ISO14001:2015 7.2 環境における「力量」は範囲がとても広い(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO14001:2015 各箇条解説シリーズ。今日は7.2「力量」の説明をしたいと思います。環境マネジメントシステムにおける「力量」って、そもそも具体的にはどんなものなの?というところも含めて、2回にわたり解説したいと思います。

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箇条7.2「力量」

それでは今日のテーマである箇条7.2「力量」 の位置づけについて確認しましょう。

まずISO14001の出発点でもある箇条4では、組織をとりまく課題や利害関係者のニーズ・期待などを考慮して、環境管理の仕組みをつくる手筈を整えました。

環境管理の仕組みを作ったら運用をしていくわけですけれども、経営者の「やるぞ!」という決意や、経営者自身による率先がなければ、どんな良い仕組みであったとしても、うまく運用することはできません。トップがやる気にならないものは、部下もやる気にはなりませんからね。そこで、箇条5では、トップマネジメントが果たすべき役割について定めましたね。

つづいて箇条6では、皆さんがたの仕事のなかで、環境に影響を与える要因や、リスクと機会、そして環境に関する法令などを明らかにして、その上で環境に関する計画や目標を定めてきました。箇条7では、その計画・目標などに取り組むために必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備します。そして今日説明をする箇条7.2では、ちゃんと必要なスキルや資格をもった人に作業をさせなさい、資格やスキルが必要ならば教育訓練しましょう、といっています。

環境マネジメントシステムにおける「力量」とは?

環境マネジメントシステムにおける「力量」って、具体的にはどんなものなんでしょうか。

品質だとわかりやすいんですけど、品質だと例えば「この機種の組み立てができる」とか「この設備を扱える」とか、そういうものが一般的には力量として管理することになりますが、環境だとどうなんでしょうか。

環境マネジメントシステムにおける「力量」を考えるには、附属書Aにかかれていることが参考になります。附属書A7.2には、力量の管理が必要な人として、6つの例が挙げられています。

まずはa)著しい環境影響の原因となる可能性をもつ業務を行う人です。例えばボイラーを扱うとか、めっき液を扱うとか、そうした作業に対する力量がありそうです。

続いては環境影響又は順守義務を決定し、評価する人です。社内で行われる作業がどんな影響を及ぼすかとか、その作業にまつわる法的要求事項についての理解、という感じでしょうか。

次は、環境目標の達成に寄与する人ですね。改善を行うために必要なスキルや知識があるかどうか、みたいな感じですかね。例えば従来品よりもる省エネ性能の高い新機種を設計開発するなどといったことを環境目標にする場合は、設計スキルはもちろんですが、最新の省エネ技術についての理解なども必要そうですよね。

次は緊急事態に対応する人です。危険物とか毒劇物が漏れ出たり、人体に付着したようなときに、どうすればよいかを知っている、対応ができるというようなこともありますよね。

次に、内部監査を実施する人です。監査先の業務のことを知っているというのはもちろん、規格のこと、マニュアルのこと、手順や記録のことを知っているかどうか、ヒアリングスキルはあるか、みたいなことですよね。

そして最後は、順守評価を実施する人です。順守義務としては、主には法律や条例などがありますから、そうした法令についての知識があるかどうか、法で定められた基準などを満たしていることを確認するための技術的な知識や経験があるか、みたいなことですね。

このようなことが、環境マネジメントシステムにおいて、管理をしなければならない「力量」と言えそうです。これを見て気をつけないといけないのは、品質と違って、環境は、求められる力量がちょっと特殊……というか、日常業務の延長で培うことのできる知識や技能だけではないことがわかります。法律の知識や、環境技術についての知識、化学物質などについての知識、緊急時の対処法みたいなところまでカバーする必要があります。結構、力量の範囲が広いんですよね。

 

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