おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015 各解説シリーズ、今日は箇条9.3「マネジメントレビュー」について解説をします。マネジメントレビューというのは、ISO14001がうまくいっているかどうかを、組織のトップが評価する場のことです。規格要求事項を詳細に解説します。
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箇条9.3の規格要求事項(アウトプット)
つづいてアウトプットです。これはインプットを受けて、今後どうしていくかというアクションプランを経営者が判断する部分です。
最初の点は、前回のマネジメントレビューから今回のマネジメントレビューにかけての環境に対する取り組みが、よかったかどうだったかの結論ですね。経営者が結論として最終的な評価をくださないといけないわけですから、当然ですが経営者も、環境に関する深い知識と技能をもっているということが期待されているのでしょうね。実際、ISO14001:2015では、リーダーシップがより重視されています。環境マネジメントシステムがどのように測定され改善され、それがどのように効果を発揮したかをトップマネジメントが理解し、語れるようになることが期待されています。そうした点からも、マネジメントレビューはリーダーシップの発揮の場であると言えるでしょう。
つづいて、継続的改善の機会に関する決定ですが、これはインプットに対する経営判断のことですね。現場からの改善提案などがインプットされたら、その提案を採用するかどうかという経営者の意思決定です。
「資源を含む、環境マネジメントシステムの変更の必要性に関する決定」です。これは例えば、環境目標や環境方針を変えようという判断や、こうした設備を導入しようとか、全般的な見直しの必要性についての意思決定でしょうか。
次に「必要な場合には」という条件つきですが、環境目標が達成されていない場合の処置についても経営者が判断します。例えば目標のひとつとして、製品の設計を見直して、脱プラ化を図っているけれども、その進み具合が芳しくないのであれば、設計部門に人を増やす判断をするとか、設計部門の予算を増やす判断をする、みたいなことでしょうかね。
次も「必要な場合には」という条件つきです。他の事業プロセスへの環境マネジメントシステムの統合を改善するための機会、というのはどういうことでしょうか。他の事業プロセスというのは、例えば品質に関するプロセスとか、安全に関するプロセスとかがありますが、そうしたものと環境マネジメントシステムを統合できそうならば統合する判断をしましょう、ということですね。力量管理は品質の力量管理と一緒にやっちゃおう、みたいなことでしょうか。
そして最後、「組織の戦略的な方向性に関する示唆」です。この環境マネジメントシステムに取り組んだ結果としてですが、環境マネジメントシステムを超えて、事業戦略そのものの見直しを必要とするような課題があれば、それを明確にしなさいということですね。わが社も2050年のカーボンニュートラル実現に向けて大きく戦略を見直そうとか、世界的な脱プラの動きにわが社も対応していこう、みたいなことですね。ただ、ここでは「決定」までを求めているわけではなく、あくまでも「示唆」どまりです。組織の戦略的な方向性は、マネジメントレビューだけでは決められないこともあるでしょうからね。例えば役員会や株主総会で決議を取らないといけないという組織もあるんじゃないですかね。
以上が、マネジメントレビューにおけるインプットとアウトプットでした。そして規格要求事項の最後ですが、マネジメントレビューの結果の証拠として、文書化した情報を保持…つまり、記録をとらなければなりません。