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デミング博士「マネジメントのための14原則」再訪(8)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

デミング博士「マネジメントのための14原則」を読み直しています。ただ読むだけではなく、2020年代の現代の考え方や最近の経営理論と比べてみたりもしたいと思います。第8原則です。

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デミング博士「マネジメントのための14原則」の第8原則

⑧恐怖を駆逐せよ。そうすれば、誰もが会社のためになる働きができるようになる。

マネジメント層や管理職は、従業員がよいパフォーマンスを達成するために、安心を感じられる状況を作りなさいと言っているのがこの第8原則です。

最近流行りの「心理的安全性」と同じことをデミング博士は言っていますね。

恐怖が生み出す悪影響

職場における恐怖にはどのようなものがあるか、デミング博士は例をいくつか挙げています。それは例えば、ミスを犯してしまう恐怖、職を失う恐怖、評価や査定に対する恐怖、上司や管理職からの圧力などですね。

恐怖は従業員を萎縮させます。その結果、パフォーマンスを低下させたり、創造性や革新性を妨げたりする要因になるとデミング博士は考えています。これは組織で働いた経験がある人ならば、容易に想像できることでしょう。

恐怖で管理することによって、職場で起きがちなことは、ミスなどを隠そうとすることですね。職場で上司や管理職から、ミスを許さないという強いプレッシャーや叱責(つまり「恐怖」)が与えられるとします。従業員は、このプレッシャーに対して不安を感じて「ミスをしてしまうとヤバいことになる」と萎縮します。そうなると、受ける処罰や叱責を避けたいという強い欲求が生まれるのは当然のことです。しかし誰だってミスはしてしまいます。この時、罰や叱責、評価の低下を避けるために、ミスを隠すことが一番安全な選択肢だと感じるようになるわけです。

ミスが隠されてしまうと、再発防止のための手が打てません。しかし、隠蔽はもっと深刻な悪影響を組織に及ぼします。1人の従業員が隠蔽行動を取ると、その行動が他の従業員にも伝染する可能性があります。特に、隠蔽が成功した場合、他の従業員もそれに倣う可能性が高くなりますよね。次第に、隠蔽が組織全体の文化として根付くことになります。

隠蔽が組織の中で一般的になると、従業員間、または従業員と管理者間に不信感が生まれます。誰が何を隠しているのか、誰が信用できるのか分からなくなるからですね。そして万が一、重大なミスを隠蔽していたことが、顧客やマスコミ等に明るみになった場合は、大きな問題として表面化してしまいます。

こうしたことは、職場にはびこる「恐怖」から生まれてくる可能性があるのです。

エドモンドソンによる「心理的安全性」

第8原則は、最近のキーワードでいうところの「心理的安全性」に近いところを語っていますね。「心理的安全性」とは、ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・エドモンドソンが、2018年に"The fearless organization"(日本語版は「恐れのない組織」として2021年に出版)を出版して注目された考え方です。といっても、心理的に安全な環境を作るのがよいという考え方は、エドモンドソンが出版する前からあるものですけどね。

有名なところでは、Googleが実施した「プロジェクトアリストテレス」という社内リサーチです。Google社内のチームで、どういうチームが最も生産性が高いかを調査したところ、心理的安全性の高いチームという結論が出たんだそうです。このあたりは、デミング博士の見解と一致した結果と言えそうです。

まあ、心理的に安全な職場のほうがいいというのは、常識としても理解は容易ですよね。

ちなみにデミング博士は、数字による管理を、恐怖による管理の一つだとみなしています。デミング博士は、本当に数字による管理に否定的ですよね。

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