おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
先日、何億年ぶりかで英語で打合せをする機会が発生してしまいました。ぼくのサビサビの英語能力では不安があったので、生成AIを使って対策をしました。その結果、ロートルのおじさんからみたら驚くような教材が出来上がったのでした。
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生成AIで打合せのための英単語帳づくり
最初にやったのは単語帳づくりです。打合せでは単語がスムーズに出てこないだろうなあと思っていたので、以下のようにプロンプトを投げかけて、単語帳を作ってもらいました。
近々、ある製造業の管理職(決裁権者)と英語で打合せをします。私はISO9001(品質マネジメントシステム)の構築コンサルタントで、相手側の製造業は、これからISO9001に取り組もうとしていますが、ISO9001の構築が社内の負担にならないかを懸念しています。私はコンサルタントとして、その懸念を払拭しなければなりません。
この状況で、英語で会話をする際に使われる蓋然性の高い英単語やフレーズをまとめて、単語帳・フレーズ帳を作成してください。
すると、以下のような単語帳とフレーズ帳を作ってくれました。
ロールプレイ用会話例を提案するChatGPT
さきほどのアウトプットの最後に、ChatGPTがこのような提案をしてくれました。
追加で具体的なシナリオやロールプレイ用の会話例が必要でしたら、お知らせください!
「ロールプレイ用の会話例!そういうのもあるのか」
と驚きました。確かに目的はミーティングであり、相手側との「対話」ですので、対話を想定したスクリプトを作ってもらおうとおもいました。
そこで以下のようなプロンプトを投げかけました。
あなたは管理者です。私はコンサルタントです。この役割で打合せのシミュレーションをお願いします。
すると、ChatGPTは製造業の管理者(決裁権者)として、ISO 9001導入を検討しているが、社内の負担を懸念している立場を演じてくれました。そしてぼくはコンサルタントとして、導入のメリットや負担軽減策を説明する役割で、英会話が始まりました。その様子が以下のとおりです。
この時のぼくの英語は、ぼくの素の英語ではなく、Deeplで翻訳したものをChatGPTに投げかけるというものでした。(情けない)
しかしこれでスクリプトのベースができました。
会話のブラッシュアップ
この対話スクリプトはAIが作ったものなので、これを実際のミーティングに使えるものにしないといけません。まずやったのが、以下のプロンプトの投げかけです。
ありがとう。私の受け答えについて、①英語の文法や表現の評価、②質問に対して適切であったかの評価、をしてください。
こうすると、スクリプトの添削をしてくれます。
そして、このようなプロンプトを投げかけることによって、対話スクリプトがいったん完成しました。
ネイティブのような自然な英語に修正して、あなたとの会話を最初から表示してください。スクリプトにして活用します。
ただ、スクリプトを読んでみると、自分のクセとして発音しづらい単語やフレーズがあるので、言い回しを修正します。これは、いったん自分で発音してチェックしないとわからないものなので、人間によるチェックと修正になります。
シャドーイング用の音声データを作成してもらう
スクリプトは、繰り返し読み込んでミーティングに臨まなければいけません。というわけで、以下のようなプロンプトを投げました。(できるかどうか、半信半疑で投げました)
このスクリプトをシャドーイングしたいと思います。音声データに変換することはできますか?
するとちゃんと作ってくれたんですよ。
しかしこのファイル、音質がめちゃくちゃ悪い(80年代の映画に出てくるロボットが読んでいるような音声)ので、シャドーイングには全く使えませんでした。結局、スクリプトをWordにコピペして、Wordの読み上げ機能をPCで録音し、MP4ファイルへ変換してシャドーイングに活用しました。
実際にChatGPTで対話の練習をする
シャドーイングは確かに英会話の練習として有効な手段なのですが、そればっかりやっていると実際の対話で想定外の質問や会話の流れになったときの対応力が培われません。ということで、ChatGPTの音声モードで対話の練習をやってもらいました。(もちろん、作ったスクリプトをChatGPTが学習した状態で)
これはこれで有効なのですが、音声モードが不安定なのか、ChatGPT自体が不安定なのか、それともぼくの発音が悪いからなのか、対話にならないケースが頻発します。具体的には、ぼくが話している最中に、ChatGPTが割り込む、勝手に会話の内容を先読みして議論を進めようとします。(これが起きたり起きなかったりします)
というわけで、対話の練習にChatGPTを使うことについては、今の状態ではあまり有効ではないかもしれません。これができるとめちゃくちゃ英会話能力の向上に有効だと思うんですけどね。
生成AIは英語学習に使えるか?
最後にまとめです。この一連のChatGPTの活用は使えるかどうかという評価ですが、めちゃくちゃ使える、というのが個人的な結論です。
ぼくが若い頃の英語の学習方法は、市販のテキストやラジオ講座のスクリプトをシャドーイングやディクテーションしまくる、というやり方しかありませんでした。自分が望むシチュエーションに特定してシャドーイング用の素材を作る、なんてことは、昭和から平成初期にかけては、ほぼ不可能でしたもんね。
こうした「コミュニカティブ・アプローチ」を自宅でできるという点では、生成AIは画期的ではないかと思いました。ちょっと面白いなあと思ったので、英語学習熱が再び盛り上がりそうな予感があります