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運転免許更新の仕組みは 安全衛生や不良対策のヒントにもなりそう

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

先日、5年ぶりに運転免許の更新に行きました。その時、この免許更新の仕組みは、製造現場での安全衛生や不良対策のヒントになりそうだなあと思ったので、ちょっと整理したいと思います。

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交通事故原因の8~9割はヒューマンエラーだと言われている

日経BP三井住友海上の記事によると、交通事故原因の8~9割はヒューマンエラーだと言われているんだそうです。実感としてもその程度だろうな、いう納得感はありますよね。

このヒューマンエラーに対して、我々人間がどのようなことをしてきたのかと整理をすることが、製造業などの他の現場におけるヒューマンエラーの防止に役立つかもしれません。ということで、以下に「交通事故におけるヒューマンエラー対策」をちょっとまとめてみたいと思います。

管理策検討の優先順位(ヒエラルキー・オブ・コントロール)

その前に一つだけ。一般的に、安全衛生の世界で、事故を防ぐには、以下の順番で対策を検討するのが良いと言われています。これは「ヒエラルキー・オブ・コントロール」とも言われていますね。

これによると、a)危険源の除去が、対策を考えるうえで最優先しなければならないことで、反対に、e)個人用保護具の使用は、検討順番としては最後である、ということです。ここで誤解しないでいただきたいのは、e)個人用保護具の使用の優先度が低いから、軽視してよい、という意味ではありません。e)は、他の方法によって対策が講じられない(もしくは対策の効果が限定的)なので、最後の砦として必要であることという意味です。そういう意味では、e)個人用保護具の使用も欠かすことが出来ない重要な点であることは、理解をお願いしますね。

ところで運転免許の更新の仕組みは、この中だとd)管理的対策に該当するのですが、参考として、この階層ごとに、自動車メーカー、運転者、歩行者、警察などの規制当局など、交通安全に関連する全てのプレイヤーは、どのような管理策を採用してきたのかを、例を挙げて説明するところからはじめます。

a) 危険源の除去

危険そのものをなくす。最も効果が高い。

  • 歩行者専用道路の設置(車両の進入禁止)

  • 危険な交差点の撤去(立体交差化など)

  • アルコール検知でエンジンが始動しない車両

  • 自動車通行を制限した「生活道路」区域の設定

b) 切り替え

より安全な手段に置き換える。

  • 通勤手段を自家用車から公共交通機関に切り替え

  • 危険な車種から安全性の高い車種への乗り換え

  • 歩道橋や地下道による歩行者の動線分離

  • 交通法規の改正により危険な交通行動を排除
     (例:右折禁止による事故多発ポイントのリスク低減)

c) 工学的対策

技術や構造で人と危険を隔離。

  • 自動ブレーキ(AEBS)、車線逸脱警報(LDWS)

  • 自動運転技術(※レベルによっては a に近づく)

  • 歩車分離式信号機、中央分離帯

  • 見やすい標識、夜間でも視認性の高い路面表示

  • 車両の構造改善(衝突安全ボディ、バックモニター)

d) 管理的対策

ルール・教育・制度など、人の行動を変える方法。

  • 交通安全教育(児童・高齢者・企業ドライバーなど)

  • 警察による交通取り締まり(スピード違反、飲酒検問など)

  • 安全運転管理者制度の導入

  • 運転免許制度(講習付きの定期的な更新)

  • 免許更新時の最新法令説明

  • 交通法規の改正(制度・運用面からのアプローチ)

e) 個人用保護具の使用

最後の砦。事故が起きたときの被害軽減策。

  • 自転車・バイクでのヘルメット着用

  • 歩行者や自転車の反射材着用

  • 自動車のシートベルト・チャイルドシート着用

  • エアバッグや車内緊急通報装置(結果としての保護)

運転免許の制度そのものは、ヒューマンエラー管理的対策としての「お手本」と言ってもよい

ヒューマンエラーを完全になくすのは難しいですよね。でも、それを前提にして「どう防ぐか」を、管理的対策(人の行動を変える方法)として考えている好例が、運転免許の仕組みなんじゃないかな?と思います。

まず、力量がない人に運転させないという点。これだけで、未然に多くのエラーを防いでいるといえます。運転免許は、学科と実技で知識と技能の両方を確認し、合格した人だけに運転を許可します。これは、「できる人にしかやらせない」という最も基本的なエラー対策です。

そして、免許には更新があり、一定の期間ごとに再教育や適性検査を受ける必要があります。事故や違反をした人には追加講習などもあり、リスクが高い人ほど強く介入される仕組みになっています。つまり、「エラーが起きやすくなっている人を見逃さない」設計になっているんですね。

他にも、全国共通の基準で公平に力量を判断していること、重大な違反には免許停止などの罰則措置があること、運転履歴が管理されていて、それに応じた対応が免許更新時に取られること、国交省や公安委員会、警察などの関係機関が一体で運用していること。どれも、ヒューマンエラーを許さない、あるいは繰り返させないための仕掛けと言ってよいでしょう。

要するに、運転免許制度は「人はミスをする」という前提に立ち、それでも安全を保つために制度全体でエラーを抑える仕組み(管理的対策)になっています。もちろん管理的対策だけではヒューマンエラーを完全に防ぐことはできませんが、職場の安全管理や品質管理でも、個人の注意に頼るのではなく、制度としてエラーを防ぐことのヒントが詰まっているといえますね。

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