おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今日は「ISO9001の審査でよくある不適合トップ10」について、具体例とともに解説をします。まずは1位~3位についてです。
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【参考資料】ISO 9001 Top 10 Finding in 2019: Practical Actions For The Future (DNV-GL, 2019)
ISO9001の審査でよくある不適合トップ10
ノルウェーの大手認証機関であるDNVは、「ISO9001の審査でよくある不適合トップ10」を公表しています。そのトップ10がこれです。
これはDNVの第三者認証機関としての実績データのようですが、グローバルのデータであり、いろんな業種やいろんな規模の企業の審査結果がミックスされたデータでしょうから、人によっては実感と異なるかもしれませんね。ただ、ちゃんとした審査機関がデータに基づいて公表しているものですので、興味深いですよね。このトップ10要求事項について、具体的にどのような不適合がありうるのか、例を説明していきます。
箇条8.5.1「製品およびサービス提供の管理」
まず第1位である箇条8.5.1「製品およびサービス提供の管理」について見ていきます。
この要求事項では「製造やサービスの提供を、現場で計画通りに進めて、その結果がきちんと基準を満たすように実行すること」を求めています。場当たり的に作業をするのではなく、決められたやり方に沿って進めなさい、ということですね。
この箇条で起こり得る不適合の例として「作業指示書や手順書のとおりに仕事をしていない」というケースが考えられます。たとえば、図面に『バリ・カエリなきこと』と書かれていたのに、作業者が「このくらいは問題ない」と勝手に判断して、その作業を省略してしまった──といった感じでしょうかね。ヤバいですよね。指示に従わずに勝手に判断して作業を省略することは、不適合品の発生につながるリスクがあります。
箇条7.1.5「監視および測定のための資源」
第2位は箇条7.1.5「監視および測定のための資源」です。これは確かによく不適合になりますね。私も実感としてそう思います。
この箇条では、測定機器や監視用ツールなどが、正しく機能するように管理することが求められています。正しく機能しなければ、測定結果が信頼できなくなり、不適合品を見逃してしまうリスクが高まりますよね。
この箇条での不適合の例としては、「測定機器が校正期限を過ぎているのに、そのまま使っている」といったケースがあります。たとえば、「有効期限2022年10月」と書いたラベルが貼られたデジタルノギスが、期限切れのまま現場で使用されていた、みたいな感じですかね。
箇条7.2「力量」
第3位は箇条7.2「力量」です。
この箇条では、「その仕事をするのに必要な知識やスキルが何かをはっきりさせて、それを持った人が担当するように管理しなさい」と求められています。つまり「この業務にはこの資格やこのスキルが必要」という基準を決めて、それに合った人を配置しなければならない、ということですね。
この箇条で起こり得る不適合の例は「知識やスキルのない人が、その仕事をしている」というケースですね。これもたまに見かけますね。たとえば、出荷前の製品検査で、本来は検査員としての内部資格を持った人が行うべきところを、いそがしかったので無資格の作業者が代わりにやった、みたいな感じですね。忙しいのはわかりますが、不良を見逃してしまう可能性がありますから、品質が管理されているとは言えないですよね。
次回に続きます。