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「人の話が聞けないのは『自己肯定感』が低いから」

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

先日、Yahoo!ニュースで面白い記事を読みました。大手通信会社でコールセンター業務歴20年の人が「相手の話を共感をもって聞き、相手を認めてあげるためには、実は、自分を認めてあげること、つまり『自己肯定が必要」と説明する記事でした。これはコンサルタントにも当てはまることです。

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人の話が聞けないのは「自己肯定感」が低いから “聞き上手”になる秘訣とは?

該当する記事はこれですね。

僕なりに要約すると、次のような内容でした。

  • 相手の話を共感をもって聞き、相手を認めてあげるためには、実は、自分を認めてあげること、つまり「自己肯定」が必要
  • 聞き方や「傾聴」についての書籍にあるような、聞くためのテクニックや心構えは、必要だが十分ではない
  • 自分に厳しい人は他人にも厳しく、いろいろなことが許せず、話が聞けなくなる
  • 自分で自分を褒めたり認めたり、許せたりできる人は、他人も認め、許すことができる

これはそっくりそのまま、コンサルタントにも当てはまる

このことはそっくりそのまま、コンサルタントにも当てはまります。コンサルタントは一般的に、知識やノウハウを重視されがちです。知識やノウハウは確かに重要ですが、それだけでは十分ではありません。

これは僕の失敗談です。ある会社にコンサルティングをしていたときのことです。その会社の明文化された価値観の一つとして「社員のワークライフバランスを重視する」というようなことがありました。ところがその会社では、サービス残業はおろか、過労死ラインを超える80時間以上の残業が常態化していました。

正直に言うと、この会社の社長を僕は許せませんでした。表立ってはきれいごと(ワークライフバランス重視)を言っておきながら、実態はそれを無視しているじゃないか、と心の中で憤っていたのです。

そしてある日、僕はこの社長に「ビジョンに書かれていることとやっていることが違いますよ」と言いました。自分では諫言のつもりでした。それを聞いた社長は「今村さんにそんなことを言われる筋合いはない」「今村さんは経営者じゃないから私の気持ちはわからないんだ」と憤り、結局僕はその場でクビになりました。

「理念やビジョンにそった経営をすべき」「コンプライアンスは順守すべき」という理屈の上では僕は間違ったことは言っていません。しかし自分の「許せない」という感情に負けてしまい、直球で社長に詰め寄ってしまいました。結果として僕はクビになったのですが、この「諫言」は会社をよくするという僕本来の目的には何の役にも立たなかったわけです。

自分は正しい。間違っていない。間違っているのは相手のほうだ。経営学や法の観点から言うと、僕がこう主張することはたやすいことです。でもそういった「理屈」を直球でぶつけても、コンサルタントの役割である「会社をよくする」ことは果たせなかったわけです。

「許せない」の気持ちが湧くのは、相手が悪いからではなく、自分の中に原因がある

今だからわかることですが、コンサルティングの基本は「折に触れ」です。正論であればいつでもぶつけて構わないということはありません。必ずそれを投げかける適切なタイミングがありますし、それを待つこともコンサルタントとしては必要です。でも僕は、自分の「許せない」という気持ちを抑えることができずに、直球で正論を社長にぶつけてしまったわけです。

この「許せない」という気持ちがどこから来るかというと、過去の自分の経験からきているはずです。僕が20代のころに働いていた会社の上司が、表立ってはきれいごと(ワークライフバランス重視)を言っておきながら、実態はそれを無視している上司だったのです。僕はその上司に対しては面従腹背で、ずっと恨みに思っていました。その上司の姿を、例の社長に重ねていたのだと思います。

もっと言うと、そういう上司の下で反論もできずに従わざるを得ない自分自身を認められなかったのだと思います。だからコンサルタントとして同じような状況に遭遇したときに、「この期に及んでも反論もできず従うしかないのかお前は!」と自分で自分を許せず(≒自己を肯定できず)に、例の社長に突っかかっていったのだと思います。ここで踏みとどまって「折に触れ」た提言ができれば、また結果は変わっていたはずです。

心理学を修めたカウンセラーは、自分自身がカウンセリングを受ける

僕の例のように、自分の持つ「心の穴」が、対人関係に影響するということは、コンサルティングの現場では起こりえることです。同じようなことが心理カウンセリングでもあるのですが、臨床心理士のようにきちんと心理学を学問的に修めたカウンセラーは、自分自身の「心の穴」を知るために、自らカウンセリングを受けるという仕組みがあります(教育分析といいます)。カウンセラー自身が個人的に持つ考え方や感情を、クライエントに押し付けることがあるのですが(逆転移という)、その影響を低減するためにカウンセリングを受けます。

例えば、日本人として初めてユング派分析家の資格を得た河合隼雄は、1960年代にスイスで、カール・アルフレッド・マイヤーからカウンセリング(教育分析)を受けています。河合隼雄はその後、日本でも後進の臨床家に対して教育分析を実施しています。ちゃんとしたカウンセラーは、ちゃんとしたカウンセリングを自ら受けているんですよね。

これはコンサルタントにも必須のことだと僕は思います。コンサルタントは知識やノウハウが重視されがちですが、自分自身に向かい合うことの重要性はもっと認識されても良いと思います。

えっ?僕ですか?僕は、前述のような一件があって、4年前から臨床心理士さんによるカウンセリングを毎月受けています?

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