おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
まもなくものづくり補助金の3次締切日ですね。かねてから要望があった「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」の作り方を、簿記などを知らない人にもわかるように解説します。
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「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」とは何か
そもそも「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」っていうのは何の書類なの?
ものづくり補助金の電子申請のときに、事業計画書の一部として添付が求められている書類なんだ。
ものづくり補助金では「補助金をもらって、こういう目新しい取り組みをする予定です」という具体的な内容を記した書類を「事業計画書」と言うんだけど、それが「その1」から「その3」までの3つのパートにわかれているんだよ。
「その1:補助事業の具体的取組内容」は、目新しい取り組みの経緯や課題、課題の解決方法(投資内容)などを書くパートで、「その2:将来の展望」は、その取組を事業に(売上拡大に)つなげていくためのプランや数字などを書くパート。そして「その3」は、取り組みをした結果、3~5年間で会社全体の売上・経費・利益がこう推移しますよというシミュレーションをするパートなんだ。
確かに会計の知識がある程度必要だけど、この連載では、会計知識がゼロでもわかるように、必要最低限の会計知識の解説も盛り込んでいくから、しっかり学んでね。
「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」は最終的にはどんなものが出来上がるの?
しっかり学ぶまえに、最終的にはどういうのができるのかをイメージしてもらったほうがいいかもね。では!
補助金をもらうためのシミュレーションなので、それなりの根拠を示す必要があるからね。これでも最低限だと思うよ。僕が支援をするときは、もっと文字数も数字を入れる欄も多くなるよう助言するからね。
申請書の他の記述と「その3」のつながり・辻褄
そもそも、その3には「算出根拠」って書いているけど、何の算出根拠なの?
電子申請で下記のような入力画面があるんだけど、これが「その3:会社全体の事業計画」なんだ。これの算出根拠が「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」だね。
この表を見て審査員は、申請要件である「付加価値額年率3%以上向上」や「給与支給総額年率1.5%以上向上」を満たしているかを判断するんだ。でもこれはかなり省略された数値なので、この数値に至る根拠を別紙で提出しなさい、ということなんだよね。
なるほど。だからあんなに数字の入力欄や補足説明があったんだ。
「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」を作る上では、この「その3:会社全体の事業計画」以外にも、つながりや辻褄を気にしないといけないところがあるんだ。ちょっと下記の表を見てよ。
「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」は、最終アウトプットである「その3:会社全体の事業計画」の根拠なんだけど、その根拠の数字も、その他の記述がベースになる箇所があるんだよね。
例えば「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」では、「どれだけ売上が伸びるか?」というをシミュレーションするんだけど、そのためにはこの補助事業でどれだけ売上が伸びるかということを考慮にいれなければならないよね。どの程度、この補助事業で売上が伸びるのかは、「その2」で記述が求められている項目でもあるので、「その2」の記述と整合性がなきゃいけないよね。
その他にも、補助事業で投資をする金額や、その資金を融資によって調達する場合などは、その融資額なども考慮に入れてシミュレーションをしないと、精度の高いシミュレーションができないね。なので、こういう情報をインプットとして「その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠」を作り、それが最終アウトプットである「その3:会社全体の事業計画」につながっていくという、この流れを踏み外さないことが大切だね。
ん?辻褄が合わないな?と審査員に思われたら評価されにくくなるもんね。だから辻褄があっていなきゃいけない、ということだね。
そういうことだね。次回からは費目ごとに、細かいシミュレーションをする方法を見ていくよ。(連載が何回になるかわからないけど)