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補助金・助成金の不正受給が明るみになったらどうなるのか

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

補助金支援をしていると、不正行為をしてまでも補助金を受給したいとほのめかす経営者がいます。これは絶対にやめてください。補助金の不正受給が行政側に明るみになればどうなるのか、まとめたいと思います。

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どういう行為が不正行為か

よくあるのが、発注書の日付の偽造です。ものづくり補助金やIT導入補助金は補助事業の実施期間が決まっています。あらかじめ定められた事業実施期間外の発注は、補助金の対象外になります。期間外の発注にもかかわらず、発注書の日付を改ざんしようというものです。

これは公募要領にも禁止事項として明確に書かれています。例えば、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業の公募要領P31には、次のように書かれています。

補助事業者が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号」等に違反する行為等(例:ほかの用途への無断流用、虚偽報告など)をした場合には、補助金の交付取消・返還・不正の内容の公表等を行うことがあります。

発注書の日付の改ざんは、ここでいう「虚偽報告」に該当します。明確な法律違反ですね。

補助金交付等停止措置企業として経産省のホームページに載る

このような不正行為が明るみになると、補助金交付等停止措置企業として担当省庁のホームページに事件が掲載されます。

例えばこのページのようなかたちで公表されます。

詐欺罪で告訴される

スーパーコンピューター(スパコン)開発を手掛けるPEZY ComputingがNEDOの補助金を不正受給をしたニュースは記憶に新しいことです。経済産業省はPEZY Computing社に補助金交付等停止措置を講じただけではなく、代表取締役社長を詐欺罪で起訴しました。

厚生労働省の「中小企業緊急雇用安定助成金」という助成金の不正受給をした企業の社長も、詐欺罪で起訴され、有罪(懲役2年8カ月)になりました。執行猶予はなかったようです。なかなか厳しい判決です。

加算金を請求される

不正受給が明るみになった場合、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」に基づいて返還処理が行われることになります。この法律の19条には、加算金に関する事項が定められています。

第19条 補助事業者等は 第17条第1項の規定又はこれに準ずる他の法律の規定による処分に関し、補助金等の返還を命ぜられたときは、政令で定めるところにより、その命令に係る補助金等の受領の日から納付の日までの日数に応じ、当該補助金等の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については、既納額を控除した額)につき年10.95パーセントの割合で計算した加算金を国に納付しなければならない。

受け取った金額について、年10.95パーセントの加算金が追徴されます。

ものづくり補助金でも加算金が請求された実績があるそうです。平成29年度補正予算ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業の兵庫県説明会で、加算金が請求された事例を話していました。そのケースでは170万円ほどの加算金が請求されたそうです。

過去記事でも書きましたので、参考にしてみてください。

https://imamura-net.com/blogpost/1973/

不正受給は絶対にしないこと

不正受給が明るみになると、補助金がもらえないだけではなく、社名公表や起訴により社会的信用が大幅に失墜します。特にいまは補助金不正受給については政治的・社会的な関心も高まっているので、信用の失墜は経営に致命的な打撃を確実に与えます。

補助金は、あくまでも事業を円滑に行うために「あればよい」ものです。社会的信用が失墜するリスクを負うようなものではありませんし、そのようなリスクを負わなければにっちもさっちもいかない経営であれば、補助金をもらってもいずれ行き詰るだけです。

不正受給は絶対にしないでください。コンサルタントにそそのかされても、決して口車に乗らないようにしてください。「知らなかった」では済まされません。

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