おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ものづくり補助金の補助対象経費は、原則として新品が対象です。一応は中古品も絶対にダメというわけではないのですが、過去7年間の公募で中古品が認められたのはわずか3件だそうです。こういった運用が改善される見通しです。
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従来のものづくり補助金における中古品の取り扱いについて
平成30年度補正2次公募の公募要領では、中古品の取り扱いについては下記のような定めがあります。
② 以下の経費は、補助対象となりません。
○ 中古市場において広く流通していない中古機械設備など、その価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費
新品であれば市場の適正価格を把握できるけれども、中古品ではそれが難しいから、原則として排除されるという運用になっていました。
2020年1月27日衆院予算委員会 国重とおる衆院議員の質疑において
公明党の国重とおる衆院議員は、ものづくり補助金におけるこういった中古品の取り扱いは、中小企業の生産性向上という制度趣旨に反するのではないかと、衆院予算委員会で質疑をしました。
以下、文字起こしします(上記動画の17分25秒あたりより)。
国重とおる衆議院議員の質疑
生産性を抜本的に向上させるためには、設備投資、古い設備を廃棄して思い切った新陳代謝を進めていくことも重要であります。この点、19年度の補正予算案でも、ものづくり補助金、IT導入補助金など、過去最大規模の3,600億円が確保されております。この補助金をニーズのある現場にいかに使い勝手のいいものとして届けていくのか、これも極めて重要な観点であります。
この点で、梶山経済産業大臣に、お願いがございます。地元を回っている際に、ある社長さんからですね、ものづくり補助金に関するお話を伺いました。その会社は、生産性を上げるために、設備投資をしようと思っているのだけれども、特殊な機器なので、新品を購入するには受注生産となって、年単位の時間がかかっちゃうと。だから中古品を購入しようと考えている。中古品と言っても、比較的これ新しいもので、これまでの機械より格段に性能が優る。一千万以上もする、と。でも、こういった中古品は、ものづくり補助金の対象にはならない、こういったお話でありました。改めて調べてみましたところ、新品であれば市場の適正価格を把握できるけれども、中古品ではそれが難しいから、原則として排除されると。
こういった理由で過去7年で例外的に認められた中古品はわずか3件。でも制度趣旨から言って、こういった取り扱いは不合理であります。中古品であったとしても、生産性がアップするものは、たくさんあります。公正性は大事にしながらも、百ゼロの考えではなく、現場のニーズにあった運用に見直すべきであります。そこで梶山大臣。ものづくり補助金の対象から、中古品を原則外すという運用はやめる。こういったことをはじめ、生産性向上といった観点で、現場のニーズに応じた柔軟な運用をぜひ進めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
梶山弘志経済産業相の答弁
ご指摘の通り、従来のものづくり補助金では中古市場が未発達な場合に適正価格の担保が困難であること等から、広く市場に流通しておらず、その価格の適正性が明確でない中古設備については補助金の対象としておらず、中古設備のうち価格の適正性を確認できる設備についてのみ補助対象として認めているのが現状であります。他方、過去7年間で中古品の購入が認められた補助事業の数は3件にとどまっており、中小企業の皆様からは、どのような中古設備が補助対象となるのか基準が不明瞭であるといった声があることは事実であるし、私どもも認識をしております。
このような声を踏まえて、中古品価格の適正性に係る基準を明確化した上で、幅広い中小企業の皆様の生産性向上にご活用いただけるように運用を改善する方向で現在検討をしております。具体的には、3者以上の中古品流通事業者からの、型式や年式の記載された相見積もりを取得している場合には、中古設備も補助対象とすると言った対応を検討しているところでありまして、柔軟に対応をしたいと考えております。
過去にも公明党議員の質疑により見直しされた事例が
話は変わりますが、過去にも公明党議員の質疑により、ものづくり補助金の運用が見直された事例があります。2018年1月31日、第196回国会予算委員会の質疑において、公明党の山本香苗議員が、NPO法人にものづくり補助金の対象を拡大する必要性を質疑しました。これがきっかけとなり(既定路線だったのかもしれませんが)、実際にその次の公募から、NPO法人による申し込みができるようになりました。
当社の予想では、この3月の公募開始から、中古品の基準が明確になった運用になると思われます
こういった前例もありますし、動画を見るとわかるのですが、梶山大臣が官僚の書いたと思われる答弁をそのまま読み上げています。おそらくはこういった運用の見直しはすでに経産省・中小企業庁の中では既定路線なのだと思われます。
したがって当社では、中古品の基準を明確にするというこの新しい運用が、この3月の一般型公募開始から行われるのではないかと推察します。