おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
3月22日、衆議院議員の牧原秀樹氏は、中小企業庁技術・経営革新課の横田課長を招き「事業再構築補助金オンラインセミナー」を開催しました。この中で、一次産業者が事業再構築補助金に申請をする場合について言及がありました。結論を言うと、一次産業(農業・漁業等)での採択は厳しいようです。
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「牧原秀樹&中小企業庁 徹底解説!事業再構築補助金オンラインセミナー」(無料・登録不要)
主幹部門である中小企業庁技術・経営革新課の横田課長が自ら質問に答えています。質疑には、これまで公になっていない新情報がたくさんありますので、ぜひご覧ください。
一次産業(農業・漁業等)での事業再構築補助金採択は厳しい
川魚の養殖事業をしている事業者からの質問に対して、中小企業庁技術・経営革新課の横田課長は次のように回答しています。(動画の1:08:00ごろより)
私どもは必ずしも一次産業を応援しているわけではないので、どちらかといえば加工をするとか、売るとかですね、そういうやっぱり商業・工業なんです。したがってそう行った部分で、新しい加工品を考えていきますとかというもののほうが採択の道が出てくるということだと思います。
また、イチゴ生産農家が新たに小松菜を作って出荷する場合、事業再構築の対象となりますかという農業者からの質問に対しては、中小企業庁技術・経営革新課の横田課長は次のよう回答しています。(動画の1:50:30ごろより)
否定はされていませんけれども、ちょっとしつこいですが、そのあたりは農水省にお任せしたいなと若干思っているところもございまして、どうしてもこれは所掌事務というものがありまして、(事業再構築補助金は)ニ次産業・三次産業が中心になっているということでご理解いただければと思います。
一次産業(農業・漁業等)の支援は経産省の所掌事務(主な事務)ではない
中小企業庁技術・経営革新課の横田課長も回答しているとおり、役所には所掌事務というものがあります。一次産業の振興は農水省の事務であるので、農業・漁業そのものに関する展開で事業再構築補助金の採択を狙うというのは厳しいでしょう。回答されているよう、採れた農作物や魚介類等を加工するという話であれば、採択の可能性はあるでしょう。
農業・漁業関係の経産省の所掌事務といえば、やはり「農商工連携」に代表されると思います。農商工連携とは、中小企業者や農林漁業者が一次、二次、三次の産業の壁を超えて有機的に連携し、お互いの有するノウハウ・技術等を活用することで、 両者の有する強みを発揮した新商品の開発や販路開拓等を促進する取組のことで、2008年(平成20年)に中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律が施行されて以来10年以上もの歴史のある経産省の取組です。
「農商工連携」は、中小企業者と農林水産業者が単なる取引関係にとどまるのではなく、お互いが主体的に事業に参画し、それぞれの得意分野である経営資源を互いに持ち寄って、工夫を凝らした新事業を計画するというものです。計画の認定にあたっては両者がこれまでに開発、生産したことない新たな商品・サービスであることや、市場での需要が見込まれることによる両者の経営改善などが基本的な要件となっています。事業再構築補助金も、こうした取組であれば評価はされる可能性はあるでしょうが、一次産業(農業・漁業等)に関する展開では、中小企業庁技術・経営革新課の横田課長の言う通り、採択は難しいのではないかと思われます。