おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
8月31日、経済産業省は2022年度当初予算の概算要求に関する資料を開示しました。中小企業対策としての要求額は1,396億円で、2021年度当初予算比24.9%の増額です。当初予算として事業再構築促進事業に予算を計上しています。
スポンサーリンク
経産省の公開資料はこちら
下記に、2022年度当初予算として要求される施策について概略を解説します。あくまでも概算要求の段階であり、予算は最終的に修正される可能性がありますので、ご注意ください。
「ものづくり等高度連携・事業再構築促進事業【25.4億円(新規)】」の新設
「ものづくり等高度連携・事業再構築促進事業」という事業が新設されるようです。とはいえ、平成31年度当初予算から計上されていた「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」に、事業再構築補助事業一部の要素を組み合わせたような位置づけだと考えられます。「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」とは、複数の中⼩企業・小規模事業者等が、事業者間でデータ・情報を共有し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援する施策です。一般的に「ものづくり補助金」と呼ばれている、単独企業が申請可能であり、補助上限額が1,000万円の施策とは異なることに注意してください。
「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」は例年、当初予算で執行されています。令和3年度は10.4億円の予算でした。ちなみに令和3年度当初予算概算要求では50億円ほどの要求でしたが、結果的に10億円にとどまった(令和2年度並)という経緯がありました。そこに「事業再構築促進事業」がプラスされ、総額で25.4億円の概算要求です。令和3年度のように最終的には減額される可能性もあります。あくまでも要求額であることに注意してください。
この概算要求を見て「事業再構築補助金が来年もあるんだ!」と喜び勇むのはまだ早いです。「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」がそうであったように、令和2年度補正予算で現在公募中の事業再構築補助金から大きく条件を変わる可能性があります。事業名に「事業再構築」と書いてはいますが、基本的には別モノです。そもそも当初予算と補正予算は、予算の性質からして全く異なるものですからね。「あの事業再構築補助金が来年も継続する」とか「あの事業再構築補助金が大幅縮小」のような言い草をする人が現れるでしょうけど、振り回されないように気をつけてください。
事業承継・引継ぎ・再生支援事業の増額
令和3年度では、「事業承継・引継ぎ補助金」が補正予算と当初予算の別予算によって実施されていますが、その当初予算のほうが来年度も概算要求されています。補正予算と当初予算の「事業承継・引継ぎ補助金」は、補助率や補助上限額も異なる、基本的には別の事業です。
これも昨年(16.2億円)よりも増額して47.1億円の要求をしています。最終的にどうなるかはわかりません。ただ、経産省としては事業承継に力を入れようとしていることはわかります。
サポイン事業の予算増額
中小企業・小規模事業者が大学・公設試等と連携して行う、ものづくり基盤技術の高度化につながる研究開発やその事業化に向けた取組を最大3年間支援するものです。かなり昔から実施されている定番施策です。
令和3年度概算要求では147億円の要求をしましたが、最終的には109億円になりました。それを今回は162億円の要求です。昨年に続き、サポインの予算を増額させようという経産省の意思が見られますが、もしかしたらサポインの制度などを見直しすることなども検討されているのかもしれません。