おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
環境法令解説シリーズ、今回は消防法です。ISO14001をはじめとした環境管理の中では、消防法を守るべき法令として扱うケースがよくあります。それはいったいどういうことなのでしょうか。
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おせじにも環境法令とは言えない消防法
冒頭でもお話しましたが、消防法はおせじにも環境法令とは言えないでしょうね。ただ、ISO14001をはじめとした環境管理の中では、消防法を、守るべき法令として扱うケースがよくあります。
これはどういうことかというと、企業では化学物質や危険物(燃料)などを扱うことがよくあると思いますが、こうしたものによって起こる“望ましくない影響”(リスク・緊急事態)があるから、なんですよね。
もう少し具体的にいうと、例えば工場では有機溶剤や軽油や灯油を使うことがありますよね。そうした化学物質や燃料が、もしこぼれたりすると、これは水質汚濁につながったり、土壌汚染につながったりします。環境汚染を引き起こしますよね。もちろん作業者にも有害な影響があります。有機溶剤や燃料には引火性が高いものがありますので、状況によっては発火して火災が起きたり、爆発したりもします。
このように、化学物質や燃料は環境汚染の原因にもなりますが、一方で、火災などの緊急事態の原因にもなりうるんですね。
ISO14001の「潜在的な緊急事態」としての関わり
すこし脇道にそれますが、ちょっとだけISO14001の話をしたいと思います。ISO14001では環境に影響を与える可能性のあるものを含めて、潜在的な緊急事態を決定しなければならない、と定めています。ISO14001って、環境管理のための仕組みなんですが、なんと、環境への影響がないかもしれない緊急事態も、想定しておきなさいと言っているんですよ。
じゃあそんな緊急事態とは具体的には何か?ということですが、私が知る限りでは「火災」を緊急事態として挙げている企業がまずまずあります。先程の話しの繰り返しにもなりますが、工場で有機溶剤とか灯油とかを使っていると火災のリスクがありますからね。
そしてISOでは、そのような緊急事態に対して、防止策と緩和策を決めて、備えなさいとも言っています。火災という緊急事態を想定したならば、防止策はいろいろありますけれども、そのうちの一つに消防法に基づいた危険物管理があるでしょう。
次回以降で説明しますが、消防法では火事を未然に防ぐために、危険物の取扱量に応じた処置の方法や、保管場所の技術的な基準を定めています。また、緩和策も決めないといけません。
緩和策というのは、万が一火事などの緊急事態が起きても、その影響を最低限にするための対策のことですね。火事が起きたら初期消火が大切ですが、そのための消火用設備についても法律で定められています。
こうした文脈で、火災と、火災を予防・緩和するための取組として、消防法が登場するわけですね。