おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015各箇条解説シリーズ、今回は箇条4.4「環境マネジメントシステム」について、2回にわたって解説をします。今回は箇条4.4の位置付けと規格要求事項の概説をします。
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箇条4.4「環境マネジメントシステム」は予告?
この箇条は、具体的な進め方、具体的な要求事項というよりも、どちらかと言えば、この先、箇条5以降に記述される要求事項の予告のような位置づけだと私は解釈しています。だからといって重要ではない箇条ではありません。ISO14001の核心部分について触れた箇条であるとも言えるでしょう。
どういうことか?というのは、順を追って説明をします。
は箇条4「組織の状況」の全体像と4.4の位置付け
まずは箇条4「組織の状況」の全体像を、おさらいもかねてみていきましょう。
箇条の4は、4.1から4.4までありましたよね。4.1では、社内外の課題を挙げなさいと言っています。そして4.2では、利害関係者、これには顧客だけではなく、仕入先や協力会社、地域、行政機関などがありますが、こうした利害関係者が自社にどんなことを求めているか、期待しているかを挙げなさいと言っています。
そして、この4.1や4.2で挙げたことを考慮して、マネジメントシステムの適用範囲を決めます。具体的には、自社のマネジメントシステムには何の製品、サービスを含むのか、どんな活動、どこの拠点を含むのか、ということを決めるわけです。
そして4.4では、その適用範囲において、環境マネジメントシステムという、ISO14001で定められている管理の仕組みを作って、実施、維持し、継続的に改善しなさいということを求めています。
そしてISO14001の規格では、箇条4.4で環境マネジメントシステムを確立・維持する上で、箇条4.1や4.2で得た知識を考慮しなさいとも言っています。自社の課題や、自社を取り巻く関係者のニーズや期待を踏まえて、環境によい影響を与えるような、または環境に悪い影響を与えないような仕組みを作りなさいということですね。
箇条4.4の規格要求事項
では箇条4.4の規格要求事項を見ていきましょう。4.4の規格要求事項は、非常にあっさりと書いているんですよね。
「これだけでいいの?楽勝だな!」と思うかもしれません。結論をいうと、この箇条4.4は、この先、箇条5以降の予告みたいなもの、とも言えるかもしれません。環境マネジメントシステムを構築する上での具体的な要求事項は、箇条5以降にだいたいは書かれているからですね。なのでここでは、箇条5以降をしっかりやりなさい、といっていると理解してもよいでしょう。
書いていることは確かにあっさりです。しかし、そもそもISO14001とは環境マネジメントシステムに関する規格です。環境マネジメントシステムに関する規格のなかで「環境マネジメントシステム」を作りなさいと箇条4.4が言っているわけですから、ここから環境マネジメントシステム構築の本題に入っていく皮切りの箇条であるともいえるのではないでしょうか。
そういう意味で、ISO14001の核心部分について触れた箇条であるとも言えるでしょう。