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ISO14001 ブログ

ISO14001:2015 8.1 プロセスを確立して"環境も工程で作り込む"(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO14001:2015年版各箇条解説シリーズ、今日から箇条8「運用」を説明します。環境マネジメントシステムにおけるプロセスって何?というおさらいもしっかりやりながら、規格要求事項を解説します。

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ISO14001:2015 8.1 プロセスを確立して"環境も工程で作り込む"(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ISO14001:2015年版各箇条解説シリーズ、今日から箇条8「運用」を説明します。環境マネジメントシステムにおけるプロセスって何? ...

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箇条8.1の規格要求事項(2)

箇条8.1の規格要求事項の続きです。

この最初の一文は、変更の管理についての話ですね。例えば、設備を変えたとか、作業者が変わったとか、運用の手順が変わったというときには、ミスが起きやすいですよね。

いつもの担当者が病気で休んでいるので、別の担当者が急遽作業をしたら、誤って汚水を道路側溝に流してしまい、川までいってしまった、みたいなことが起きがちです。そうしたことが起きそうな変更についてもあらかじめ管理しておいて予防しなさいということですね。万が一汚水が側溝に流れたのであれば、せき止めるような処置もやりなさいということですね。

そして次の一文は結構重要です。外部委託のプロセスについて書いています。外部委託をする業務も管理するか、または影響を及ぼしなさいということですね。

管理というのは、あたかも自社内でやるのと同じように直接手を下すということですが、そこまでいかないにしても、お願いしたり頼んだりするのが「影響を及ぼす」ということの意味ですね。

外部委託先に対しても無関心じゃダメですよ、ということです。

その管理や影響を及ぼす程度はケースバイケースでしょうけど、例えば商談の際にこちらから要求を具体的に提示したり、外部委託先の評価を年1回したり、場合によっては二者監査をする、みたいなことが実務上のイメージでしょうかね。

箇条8.1の規格要求事項(3)

箇条8.1の規格要求事項の最後のパートです。

ここでは「ライフサイクルの視点に従って、次の事をやりなさい」と言っていて、具体的にa)からd)までの要求事項があります。

ライフサイクルの視点というのは、簡単に言うと、モノの調達から設計、生産、梱包、出荷、そして製品がユーザーの手にわたって使われること、そして最終的にユーザーの手によって廃棄されることまでの一連の流れのことですね。つまり自社のことだけを考えるのではなく、外部からの調達や、ユーザーの使用・破棄に及ぶまでのことについて、管理するか、または影響を及ぼしなさいということです。

a)は設計・開発のプロセスで環境上の要求事項の管理をしなさい、ということですね。例えばプラスチックをできるだけ使わないような設計にするとか、ユーザーが廃棄する時に分別しやすいような設計にするとかですね。

b)は、調達に関する環境上の要求事項を決めなさいということなので、例えば規制されている化学物質の非含有証明書を出してもらうとか、工程で使っている化学物質についての情報をもらうとか、川上のサプライヤーに求めるべき環境上の要求を決めなさいということですね。

c)は請負や外部提供者(調達先や外注先)に対して、環境上の要求を伝えなさいということですね。b)で要求を決めて、c)で相手に伝える、ということですね。

そして最後のd)はどういうことかというと、運搬時とか、使用時、使用後に、なにか環境に対して著しい影響を与えるようなことがあれば、情報を提供しなさいということです。例えば蛍光灯と買うと、パッケージに、割らずに廃棄してくださいとか、廃棄のときは自治体の処分方法に従ってください、みたいなことが書いていますが、そうした情報提供が必要ならばやりなさい、ということです。

そして最後は、必要な程度の記録をとりなさいということですね。さきほど、運用の基準を決めなさいという要求事項がありましたが、その基準に対して実績はどうだったか?みたいなことを記録として保持するというイメージでしょうかね。

環境も工程で作り込む

これまで見てきた要求事項をひとことで要約すると「プロセスを確立して実施しなさい」と言ってるだけなので、まずまずシンプルなんですが、実際にこの要求に沿って社内のプロセスを洗い出して、一つ一つを明確にするというのは、なかなか骨の折れる作業だとは思いますね。

ただ、これはISO14001だけではなく、他のISOの規格にも共通していることですが、規格は、結果的に不良がでなければいいとか、環境に悪影響がでなければいい、と言っているわけではないんですよね。もちろん結果として不良や環境への悪影響がないという状態を目指すんですが、その主な手段として、一つ一つのプロセスを管理しましょうというのが、規格が言いたいことなんですよね。

品質の世界では「品質は工程で作り込む」という言葉がありますが、「環境も工程で作り込む」という考えでやっていっていただきたいと思います。

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